宿泊予約 見極める

【早割・直前割】はウソ!?実は「いつ予約してもほとんど料金は変わらない」と言う真実。

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ホテルや旅館などの宿泊プランには、「早割」や「直前割」などの割引プランが、その時々に応じて販売されており、結局何時(いつ)どのように予約するのがお得なのか、また一番安いのか、が分からないと言う方は少なくありません。

今回は、ホテル旅館の内情を含めて「お得・安い」だけでは計ることの出来ない宿泊予約の「正解」を考えてみましょう。

そもそも「早割・直前割」は、何故存在するのか?

早割や直前割などに代表される価格の割引は、宿泊施設の販売戦略の一つです。

ホテル業界が販売する「客室」や「レストランの席」などの商品は、その日販売することが出来なければ、その商品を販売するチャンスは二度と訪れない「ナマモノ」です。売れ残った商品を改めて販売することが出来ないという意味では、究極のナマモノと言えるかも知れません。

その為、ホテル業界など在庫の繰り越しが出来ないビジネスでは、需要予測を行い売上高(レベニュー)の最大化を目指す「レベニューマネジメント(Revenue Management)」という販売管理方法が行なわれています。簡単に言えば「需要に合せて売り方を変える」販売方法であり、その1つの手法として「値引き」が存在します。

しかし、多くの宿泊施設では、このレベニューマネジメントが行なわれておらず勘や経験などの感覚で値引きが行なわれているのが現状です。私の肌感覚では、日本の9割以上の宿泊施設(特に旅館)がそこに該当すると思います。分かりやすく言えば、宿泊施設の大多数は「なんとなく」割引を行なっているのです。しかも、ほとんどの場合が「安くすれば売れる」と言う妄想を根拠に値引きが行なわれているのです。

宿泊施設の「姿勢」を見極める。

勘と経験と度胸、いわゆるKKDと言われる意思決定プロセスを否定する訳ではありあせんが、根拠がなく「なんとなく」割引をすると言うことは、割引額、割引のタイミングまで、すべてが「なんとなく」なのです。予約をする側としては、何時(いつ)、どのように予約すれば良いのか全く検討が付かないのが現実です。

ただ、そこを通して1つ大切なことに気づくことが出来ます。それは、宿泊施設のお客様に対する「姿勢」です。

例えば、宿泊日の2ヶ月前に2万円で予約をした旅館が、宿泊3日前に確認したら同じプランが1.4万円で販売されていた。そんな経験をされた方も少なくないと思います。とても楽しみにしていた家族旅行、早めに休みをとって決めた温泉旅館。それが間際になると3割も値引かれている。こんなに悲しいことはないと思いますが、宿泊業界では「あるある」だったりします。

レベニューマネジメントを正しく理解し、それに基づき適切な販売管理が行なわれた場合、「早割」は成り立ちますが、「直前割」はほとんど起きません。適切な需要予測に基づいた運用では、販売価格は宿泊日が近づくほど高くなります。航空チケットなどが良い例で、航空会社は適切な管理を行なっている為、間際になればなるほど航空チケットの価格は上がっています。

直前割を頻繁に行なっている宿泊施設は、早く予約をしてくださったお客様の気持ちを顧みず、ただ「空室が多いから」「値引きをしたら予約が入るかも」と言う理由で直前に値段を下げているケースがほとんどなのです。

価格以前に、そのような姿勢の宿で良いサービスが受けれるとは考え難いのではないでしょうか。

まとめ

  • 多くのホテル旅館は「なんとなく」割引を行なっている。
  • その為、予約に適切なタイミングは判断しにくいのが現状=いつ予約しても一緒
  • 価格だけに左右されず、宿泊施設の「姿勢」を見極めることが大切。
  • 「直前割」を頻繁に行なっている施設は要注意。

今回は、ホテル旅館の「値引きのタイミング」にフォーカスして宿選びについて考察してみましたが、基本的に価格の妥当性は、サービスとのバランスによって判断される性質のモノ(コスパ)ですので、早割や直前割などに翻弄されないよう心掛け、価格を絶対的な基準とした宿選びは避けた方が、結果的に良い宿泊体験を得られることに繋がるでしょう。

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