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やらせレビューの見分け方【ホテル旅館編】

日本では「口コミ」と呼ばれることも多いですが、 消費者が商品やサービスへの感想を投稿する「レビュー」。楽天市場やAmazon(アマゾン)に代表されるようなネット通販はもちろん、飲食店や美容室などの実店舗、近年では病院にもレビューがある時代です。それだけ多くの消費者が商品やサービスの購入に第3者の意見を参考にしているという事になりますが、それは商品の提供側から見ると、レビューや口コミによって収益が変わってくることを意味しており、販売数を伸ばす為にお金を支払い、良いレビューを書いてもらう「やらせレビュー」が増加し、NHKのクローズアップ現代でも取り上げられる程の社会問題となっています。

このような嘘の口コミ・やらせレビューは宿泊業界でも同じように発生しており、それを信じて宿泊し残念な思いをされる方が年々増加していると言われています。年に1度の家族や友人との温泉旅行、宿泊料金だって決して安くありません。その為に、じっくり時間をかけて口コミを読み比べて選んだ旅館。それがやらせレビューで、実際は全く違うサービスだったとしたら、、、今回は、そんな方が少しでも少なくなっていただけるよう温泉旅館を経営する中の人間として、やらせレビューやインチキを見極める為のポイントをお伝えします。

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そもそもレビューとは何なのかを理解する

レビューや口コミを読む前に、まずはそもそもレビューや口コミとは何なのかを正しく理解する必要があります。世の中にはさまざまな商品やサービスに対してのレビューが存在しますが、すべてに共通する大前提があります。それは「自分以外の誰かの主観的な意見」であるということです。

極端な言い方をすれば、99人の人が素晴らしいと感じた商品でも、それがあなたにとっても素晴らしい商品だという訳ではないという事です。口コミやレビューは不特定多数の主観の集まりで、自分自身の感性や好みとは異なる意見なのです。つまり、口コミは可能性の話であり絶対的なものではないという大前提の元に読む必要があるのです。もっと言えば、あなたが素晴らしい評価をされたレビューを参考にして商品を購入したが、レビューに書かれていたような満足度が無かったとしても、それがやらせレビューだと決めつけることは出来ないのです。何故なら、そのレビューを書いた方は実際にそのように感じていたかも知れないからです。

悪質なレビューは確かに存在します。しかし、それを見分ける大前提としてレビューは 「自分以外の誰かの主観的な意見である」という事をしっかり理解しておくことが何よりも大切なのです。

誰が書いたか分かるレビューを見る

ホテル旅館のレビューには大きく分けて、宿泊しないと投稿する事が出来ないレビューと、宿泊しなくても書けるレビューが存在します。前者は「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などの宿泊予約サイトの口コミです。私達宿側も投稿した方が、いつ宿泊された誰なのかを特定出来ます。後者は「トリップアドバイザー」に代表される口コミサイトとなり、こちらは実際に宿泊していなくても投稿する事が可能です。つまり、アカウントさえ持っていれば誰でも自由に書き込みが出来る仕組みなのです。

サイトの優劣や評価をするつもりは全くありませんが、トリップアドバイザーのように誰でも簡単にレビューが出来るシステムの方が、やらせレビューを書き易いのは事実です。また、自分が誰かを相手が特定出来る状態でなければ、偏った内容になってしまいがちですし、無責任な投稿である可能性も高まります。つまり 「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などの宿泊予約サイト内のレビュー方が信頼度の高く、やらせレビューである可能性が低いと言えるのです。

参考記事:【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

レビューの文字数を見る

やらせレビューは、「高い点数」と「これはいいね!」と言う内容が消費者に伝わればそれで目的は完了しますので、レビュー自体の文字数は少なくなる傾向にあります。やらせレビューライターの方も同じ報酬をもらうのであれば、文章は出来るだけ短く簡単に済ませたいと考えるはずですので、文字数は短くなると考えられます。一方、ホテル旅館に寄せられる本当の口コミは、実体験に基づいたものですので、その感動や思いを短い文章で綴ることはなかなか難しいものです。これは、良い内容であっても、悪い内容であっても同じで、思いの籠った文章はそんなに短く書けるものではありませんし、そもそも嘘の投稿をして稼ごうというような、周りの皆さんの不利益を考えない行動をするような人に思いの籠った長い文章など書けるはずがないのです。

本当のレビューであっても文章が短い場合がありますが、これは各宿泊予約サイトが行っている口コミキャンペーンに合わせて投稿をしているケースが考えられます。この時期にレビューを書いたら何ポイントプレゼントのようなイベントです。これは少し見分けがつきにくいですが、キャンペーンとして期間が限定されていますのでそこを意識してみると良いでしょう。具体的には、そのホテル旅館全体の口コミ投稿ペースを確認し、一定期間に集中して短い投稿がある場合は、本当のレビューですがポイント目当ての可能性が高いと判断することが出来るのです。

レビューの投稿タイミングを見る

これが一番分かりやすい見分け方かも知れません。ホテル旅館がどんな時に「やらせレビュー」を書いて欲しいと思うか考えれば、すぐに見分ける事が可能です。

答えは簡単です。それは「低いレビューが投稿された直後」です。レビューは通常新着順に表示されますので、低いレビューが投稿されると次のレビューが投稿されるまでの間、誰もが必ず見る1番上にそのレビューが表示され続けるのです。筆者も経験がありますが、低い口コミ評価のレビューが連続して投稿されると予約が急に入らなくなってしまいます。宿側からしてみたら、1日でも1分でも早く次の投稿が入って欲しいと切実に思います。そんな時、どんな行動をするのかで、そのお宿の姿勢が分かるわけですが、残念ながらこのようなタイミングでやらせレビューが書かれる事が多いのです。

つまり、連続した低評価のレビューの直後に、そのお宿の今までの平均評価を上回る高評価のレビューが複数入っていた場合は要注意です。今まで週に一個程度の投稿ペースにも関わらず、突然2~3日の間に良い投稿が立て続けにあった場合、筆者は「あー、やっちゃってるなぁ」と感じます。

まとめ

  • レビューとは何なのかを理解する
  • 誰が書いたか分かるレビューを見る
  • レビューの文字数を見る
  • レビューの投稿タイミングを見る

ホテル旅館の場合、最初の大前提を理解し、この3点をおさえておくだけで、やらせレビューに騙される可能性を激減させることが出来るはずです。最近はほとんどありませんが、以前は「良い投稿を書きます。」という営業メールが頻繁に送られてきた時期もありました。ただそれは、何れもwebサービスの会社からの営業メールでしたので、コンプライアンスの問題でそのサービスを廃止したと考えられます。しかし、現在は会社などの組織ではなく、様々なプラットフォームを媒体として店舗と個人が繋がり、このようなレビューが大量に投稿されるようになっており、闇は深まっているように感じます。中には、知人に依頼をして(共謀して)良いレビューを書いてもらったりなど手口は日々巧妙化しています。

これからは今以上に情報リテラシーの高さが求められる時代です。各専門家のハウトゥーなどを参考にしながら、自らのリテラシーを高めていく努力が何よりも大切になってくるでしょう。また、例え自身が騙されたと感じるような口コミがあったとしたなら、それを非難したり、自らを悲観するのではなく、その経験を自らの鑑識眼の糧として次からそうならないようリテラシーの向上に努めて行かなければ、騙し騙されのいたちごっこからは抜け出すことは出来ないのではないでしょうか。

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【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

宿泊予約サイトの口コミやレビューの★(星)の数でホテル旅館を選んで、失敗したと言う方達が後を絶ちません。口コミの中には、失敗しない宿選びには欠かす事が出来ない重要なポイントが4つ存在します。本ブログでは、その理由も含めて、失敗しない正しい口コミの読み方をお伝えします。

★(星)の数は目安。★は主観の集まりを数値化したものだと理解する。

投稿されている一つ一つ口コミは、嗜好や好みが全く違う不特定多数の個人の主観であるということを理解することが、口コミを正しく読む為の大前提です。

簡単に言えば、お肉が苦手な方が「★4.9」と書かれた情報だけを見て、お肉料理が自慢の宿を選んでしまい満足することが出来なかった、、、こんな単純な話です。★の数は多くの主観(満足度)を数値化、平均化させたものでしかないので、10人中9人が大満足だったとしても、1人(自分)には最悪な結果となってしまう可能性も含んでいるのです。

個性や嗜好、望んでいることや期待していること、それは人の数だけ存在しているので、「皆が良いと言っている(★が多い)から、自分にも合う。」という考え方が誤りであり、★の数は参考程度に留めて置くことが、まずは何より重要になります。

★の数より、投稿の数が重要。

数多くの宿泊施設の中からすべてのホテル旅館の口コミをチェックするのは大変な時間と労力がかかります。そこで、まずは自身が求める基準のラインを引く為に★の数を利用することをオススメします。「今回は彼氏の誕生日祝いだから、★4.5以上にしよう。」や「出張でただ寝れればいいので★3.5にしよう。」、こんなざっくりしたイメージで良いです。

冒頭で「★の数は目安」とお伝えしましたが、この目安の精度を担保するのが、投稿数。口コミの数です。同じ★4.3の温泉旅館でも、口コミ数が10件と200件の旅館では、★4.3が持つ重みが異なっていますし、件数が多い方が当然信憑性が高くなります。

冒頭にお伝えした「目安」の精度を高める為には投稿数の確認が欠かせません。

投稿の鮮度を確認する。

どの宿泊予約サイトの口コミにも「投稿日」が記載されています。どんなに良い口コミが書かれていたとしても、それが半年前、1年前、またはそれ以前の投稿日だったとしたらどうでしょう。料理長が変わってしまっているかも知れませんし、客室など毎日使用されるものは着実に劣化しているはずです。逆に、1年前に悪い評価を受けていたとしても、企業努力で改善されている可能性も十分考えられます。

情報は鮮度が命です。古い評価の累積(★の数)がどんなに素晴らしかったとしても、それが現在、そして皆さんが宿泊するであろう未来の状態を表したものではないのです。

「低評価の口コミ」の中身をじっくり読む。

ここが1番重要なポイントです。

投稿の中身をしっかり読む事で、具体的な内容を確認出来ます。この読み込み作業を疎かにすると、自分が求めているサービス内容とホテル旅館のサービスにミスマッチが発生し、「後悔」「失敗」という結果になってしまいます。このミスマッチを防ぐ事が一番重要になってきます。

しかし、数多くの口コミを一つ一つ読んでいくことは大変ですので「低評価の口コミ」に絞って読み込むことをオススメします。低評価の投稿は下記の2つに大別されます。

  1. 感情的に、悪口を書き込んでいる。
  2. 自分の考えていた内容とサービス内容が違った。

1.は、論外ですので無視して良いですが、例えば食事が気に入らなかっただけで、お風呂やサービス等他のすべての項目を「★1」にしていることが、このタイプの口コミの特徴です。重要なのは2.のタイプの投稿で、そこには嗜好や期待とのミスマッチによる低評価の理由が隠れていることが多いのです。

その内容を、自分の嗜好や希望と照らし合わせて読むことで、出来るだけ時間を掛けずに、ミスマッチの可能性を大きく減らすことが可能になります。

まとめ

  • 利用シーンや形態によって、目安の★の数を決める。
  • その中から、投稿数を確認して★の精度を確認する。
  • 最近の投稿状態を確認し、投稿の鮮度をチェックする。
  • 「低評価の口コミ」を読み、内容からミスマッチ項目を見つけ出す。

宿選びをこのステップで行なうことで、後で後悔してしまう可能性が大きく下げられます。筆者はこの流れが習慣化していますので、宿選びで失敗した事はほとんどありません。皆さんも是非このステップを習慣化し、ご自身に合ったホテル旅館選びをしてください。