宿選び」カテゴリーアーカイブ

部屋食は感染リスクが高い!?ウィズコロナ時代の正しい旅館の選び方

温泉旅館を選ぶ際に他の宿泊客との接触が少ない「部屋食」の需要が高まっています。しかし、旅館のサービス提供の内情を知ると、むしろ「部屋食」は感染リスクが高い事が分かります。この記事では、部屋食のリスクを説明すると同時に、どのような点に注目して宿選びをする事でウイルス感染のリスクを減らす事が出来るかとお伝えします。

部屋食の実態

部屋食の感染リスク

多くの皆さんが、他の利用者と食事中に合う事がない「部屋食」と言う食事形態を感染リスクが低いと認識されています。その根拠となっているイメージを図式化してみました。

一般的な部屋食のイメージ図

このように客室へ係の方が食事を運んでくれますので、他の利用者に合う事はあり得ません。しかし、旅館は営利団体で利益を求めますので、出来るだけ少ないスタッフで多くのお客様の対応をしようとしています。つまり、見えないだけで実際は下記のイメージのようになっているのです。

実際の部屋食のイメージ図

このように1人のスタッフが複数の部屋の食事提供を掛け持ちしているのです。つまり、1人のスタッフが、複数の閉鎖された個室(密室)を何度も行き来しながら食事を提供しているのです。当然お客様はマスクを付けず会話を楽しみながら食事をしていますので、密室となっている空間に飛沫が舞い、テーブル等に唾液などがついている事も十分想定されます。そして、それぞれの客室での給仕中にスタッフの手指にウイルスが付着する可能性があります。

付着の可能性はどこにでもありますので、そこを取り上げて悪い事だと言うわけではありません。問題は、飲み物の追加オーダーや料理出しを時間に追われながら慌ただしく行いますので、作業毎の手洗いやアルコール消毒の徹底が難しくなるというところにあります。と言うより、実態を理解している筆者の率直な見解としては部屋食給仕中の消毒の徹底は不可能だと思います。他の部屋で手指にウイルスが付着し手洗いや消毒が行えないまま、料理と共に別の部屋にウイルスが持ち込まれる可能性が高いのです。

作業効率を上げる為に1つの台車やラックに複数の部屋の料理を乗せて運びますし、そこへ食事が済んで下げてきた器なども乗せていきます。また、各部屋の入口にはドアノブもありますし、調理場から料理を運んでくる際にエレベータを使う場合はボタンを押す必要もあります。このような状態で限られた時間内に受け持ったすべてのお部屋に食事や飲み物を提供しながら、衛生管理を徹底することのハードルは想像以上に高いのです。もっと言えば、今説明させていただいた事が旅館の館内で同時多発的に起こっているのです。(下図参照)

旅館全体の部屋食のイメージ図
  • 1人のスタッフが複数の部屋を担当する
  • 客室(密室)で皆がマスクをせずに食事と会話を楽しんでいる
  • スタッフは業務に追われ衛生管理の徹底が困難
  • それが同時多発的に行われている
  • スタッフ同士が給仕中にエレベータやパントリーなどの共有スペースで頻繁に出会う
  • 共有スペースも決して広くはない為、スタッフ間の密集が起きやすい

少し大げさかも知れませんが、旅館での部屋食の実態は、スタッフを介して間接的に宿泊者全員が同じ密室でバイキングやブッフェ形式で食事をしているようなものなのです。部屋食は、自分たちが客室から外に出ず、他の利用者の姿が見えないという安心感がありますが、実は間接的に見えない多数の利用者と接触してしまっているリスクが潜んでいるのです。

部屋食も色々、その見極め方

前項でお伝えしたのは一般的な旅館の部屋食の実像ですが、部屋食と言っても色々ありますので、感染リスクが少ない部屋食の形態をご紹介します。

宿泊単価が高い宿はリスクが少ない

一概には言えませんが、宿泊単価が高いと言う事は、1人のスタッフが受け持つお客様の数が少なくても収益が確保出来ると考えられます。例えば、1人のスタッフが1日10万円分のお客様の対応をする場合、客単価が1万円であれば10人対応する必要がありますが、5万円であれば2人で済みます。つまり、単純に間接的に接触する方の人数が少なくなりますのでリスクは減ります。また同時に、時間にゆとりが生まれますので手指のアルコール消毒などの衛生管理の徹底も容易になります。

客室数・収容人数が少ない宿はリスクが少ない

こちらも前項と同じように物理的に接触人数が減りますので、間接的な感染リスクも低下しますし、衛生管理も行き届きます。

部屋への出入り数が少なければリスクは少ない

会席料理のような食事形態の場合、前菜から始まり料理毎にスタッフの出入りが行われます。ですので必然的に、客室外でスタッフが違う利用者や他のスタッフと接触する頻度や、ドアノブやボタンなどに触れる回数も増えて行きます。また、料理提供の工程が増えますので衛生管理のレベルが低下すると考えられます。つまり、部屋食でも、会席料理ではなくお弁当などのように一度にすべてが提供される食事形態の方が感染リスクは下がると言えます。

自ら客室内の換気を行なう

お部屋は密室で換気が不十分です。ですので、食事をしている間、換気扇を回したり、窓を開け換気を行うことで感染のリスクを減らすことが可能となります。

部屋食における感染リスクのまとめ

部屋食は自分たちだけで食事が出来、他の利用者に合わないから安心というのは、はっきり言って幻想です。ご説明した通り、部屋の外ではスタッフは様々な利用者の部屋に伺い、他のスタッフとも接触しているのです。そして、手指の確実な消毒が行われないまま、あたながマスクをせずに食事をしている密室に食事が運ばれてくるのです。旅館側も可能な限りの対策は行っているはずですが、忙しくなればなるほど衛生管理の徹底が難しくなります。宿泊者の減少によりスタッフの人数を減らして営業されている所も少なくありませんので、スタッフの忙しさは増し、衛生管理は更に難しくなります。過度に心配する必要は無いと思いますが、部屋食にも感染リスクがあり、しかもリスクが高いと言うことは覚えておいた方が良いと思います。もし部屋食を希望されるのであれば宿側の衛生管理だけに頼ることなく、自ら窓を開け換気を行うことや、除菌シートを持参し食事中でも小まめに手指の消毒を行うことでリスクは確実に減らす事が出来るはずです。

ただ、筆者がプライベートで温泉旅館に行くのであれば、部屋食ではなく、換気の行えているレストランやホールなどの会場で、仕切りが設けられていたり、他の利用者と十分なソーシャルディスタンスがとれている席で食事が食べられる宿を選びます。そのような形態の方がスタッフがモノに触れる機会が劇的に少なくなりますし、衛生管理も確実行える為、ウイルス感染リスクが格段に少なくなるからです。

旅館選びをする際にチェックすべきポイント

ご説明したように一般の方が安全だと思われている部屋食も、内情を知る人間から見たら感染リスクが高いことが分かります。しかし、イメージだけではなく本当の旅館の実情を理解して、宿選びの際にリスク回避のポイントをしっかりおさえておけば、感染リスクを大きく減らし安心してゆっくりと滞在を楽しむ事が出来ます。ここからは、感染リスクコントロールを行なう為の宿選びのポイントをお伝えします。

新型コロナウイルス感染防止対策をホームページで確認する

これは基本中の基本です。ほぼすべてのお宿が感染防止対策を行っているはずですが、どんな対策を講じているのかを必ず確認しましょう。衛生管理や3密対策など様々な対策が行われていますが、筆者が確認した範囲では90%以上のお宿で内容はほぼ同じで「基本的な対策をしっかりやっています」と言う趣旨の内容です。また、掲載していて当然の時代ですので内容はもちろんですが、対策をきちんと分かりやすい所に掲載している施設かどうかをチェックする事で、お客様目線の対応やサービスをしているかどうかを知ることが出来ます。じゃらんnetや楽天トラベルでは表現場所やレイアウトに制限がありますので、対策は宿の公式ページで確認するのが確実です。予約自体はお得なサイトでしてもお宿の感染対策は同様です。

館内にある施設・設備を確認する

見落としてしまっている方がほとんどですが、感染リスクを確認する上ではここが最重要ポイントだとも言えます。前項でお伝えしたように旅館側が行っている感染防止対策はほとんど変わりません。では、どこでリスクを判断すれば良いのでしょうか?正解は「どんな利用客がいるか」です。不特定の利用者いる施設を使用するのが不安なのは、自分以外にどんな人がいるのかが分からないと言う事が大きな理由だと思います。しかし、旅館の場合は館内にある「施設・設備」を確認することで他の利用客がどんな方達なのかをある程度知ることが出来ます。

例えば、宴会場やスナック、カラオケルームなどが館内にある旅館であれば、団体客がグループおり、そこで3密が発生する可能性があります。会議室がある施設であれば、会議利用で不特定多数の方が集まっている可能性があると分かります。そのグループだけがその場所に隔離されているのであれば良いのですが、それはほぼありえません。パブリックスペースでそのような利用客との接触が十分に考えられます。また、この状況下において宴会やどんちゃん騒ぎをしている利用者がもしいるのであれば、その利用者は日常的に同じように感染リスクの高い自分勝手な行動をしながら生活を行っている可能性も高いと考えられます。部屋食の説明でお伝えしましたが、旅館のスタッフは複数の利用客を掛け持ってサービスを行っておりますので、もしかすると宴会場やスナックでサービスを行った後に十分な消毒が行われていないまま、あなたへのサービスが行われてしまう可能性もあります。スタッフには全く悪意はなく、そのような結果が生まれてしまうのです。

宴会場やスナック、カラオケルームが無いお宿を選べはベストですが、もしそのような施設や設備がある場合は、利用日にその施設を閉鎖しているかどうかを確認しておくことを強くおすすめします。

プランと提供サービスを確認する

こちらの項目も「どんな利用客がいるか」を確認出来るポイントです。宴会プラン、コンパニオンプラン、団体プランなどが販売されているようであれば、そのような利用形態で滞在している利用客がいると分かります。また、飲み放題やバス送迎などのオプションが設定されているのであれば、同様の利用形態での利用客の存在を知ることが出来ます。同級会プラン、老人会プランなどもその名称から簡単に判断することが出来ると思います。お宿がいくら全体的に感染防止対策をしていると発信していたとしても、このような利用客を受け入れている以上、根本的な感染リスクは排除出来ないでしょう。

ウィズコロナ時代の旅館選びのまとめ

ウィズコロナの時代では、感染リスクをゼロにすることは出来ない前提で旅館選びをしなければなりません。その中で、重要になるのはお宿の感染リスク削減対策にすべて任せてしまうのではなく、そのお宿がどのような営業形態でどんな客層の利用客の受け入れを行っているかなども良く調べ、そして考え、自らも感染リスクを最小限に抑える行動をする必要があります。そのように旅館と利用者が共にリスクを減らす努力をする事で、よりゆっくりと安心して滞在することができ、満足度の高い旅行が実現出来るのです。しっかり情報をとり、適切なお宿を選ぶことで旅館利用でのウイルス感染は限りなくゼロに近づけることが出来るはずです。

ウィズコロナ時代で感染リスクを減らす為のお宿選びのポイントは他にもいくつもありますが、最後に筆者が個人的に旅館を選ぶ場合に必ず注意するポイントをお伝えします。

旅館の内情を知り尽くした筆者が個人的な利用で温泉旅館を選ぶポイント

  1. 食事がバイキングやブッフェで提供されていない
  2. 食事が部屋食ではない
  3. 食事はパーテーションなど物理的な仕切りがある会場で提供されている
  4. 個室での食事の場合は、換気が十分にとれる造りになっている。または、自ら換気が行える環境である
  5. 団体客、大勢のクループ利用客がいない
  6. カラオケやスナックなど3密が起こりやすい施設が館内にない。または、使用していない
  7. コンパニオンや酌婦の受け入れをしていない
  8. 露天風呂がある。または、大浴場の換気が十分に行えている
  9. 宿泊料金は、1人1.5万円以上。(低料金の場合は衛生用品に十分なコストをかけられない為)
  10. 部屋にはベッドが備え付けられている

以上の条件を満たした宿で、他の利用客とのソーシャルディスタンスをしっかりとることで、旅館での感染リスクはほぼゼロになるでしょう。また、お宿によってサニタリーグッズが十分で無い場合も想定して除菌シートとアルコール消毒を持参して行けばさらに安心です。

日帰り温泉の情報は要注意。失敗しない日帰り温泉情報の確認方法。

温泉旅館に宿泊しなくても気軽に温泉を楽しめるとあって人気の高い「日帰り温泉」。日帰り温泉、日帰り入浴、などのキーワードで検索すると、とても多くのポータルサイトや紹介ブログが表示され、日帰り温泉の人気の高さが伺えます。しかし、その人気に呼応して膨れ上がった情報によって、逆に残念な想いをされる方々が増加しています。中にはトラブルになるケースも増えてきています。

「日帰り温泉ランキングで上位だったのに、あまり良い温泉ではなかった。」「情報を見て行ったのにやっていなかった。」そんな事が頻繁に起こっているのです。スーパー銭湯のような形態の温泉であればあまり問題はないのですが、特にトラブルが多いのが温泉旅館のケースです。そこで今回は、日帰り温泉を楽しむ為の情報チェック方法と残念な想いをしない為の対策をお伝えします。

情報の発信元と情報の鮮度が重要

結論からお話しさせていただくと、日帰り温泉を取り扱っている個人が運営するブログの情報は当てにしない方が良いでしょう。すべてではありませんが、見極めが難しい為、すべて当てにしないと決めてしまった方が結果的に温泉選びの時間も短縮されますし、情報精度も上がりますので個人ブログはすべて当てにしない事をおすすめします。

個人ブログかどうかは、ページの3つの部分を確認するだけですぐ分かります。

  1. ページ上部に「運営会社名」や「サービス名」が記載されていない
  2. ページタイトルに「おすすめ」と「ランキング」を多用している
  3. Googleのアドセンスなどの広告が沢山表示される

確実ではありませんが、この3つの内2つを満たしているのであれば、ほぼ個人ブログです。では何故個人ブログを当てにしてはいけないのでしょう?それは、副収入が主たる目的で人気の高い「日帰り温泉」「おすすめ」「ランキング」といったキーワードをページに盛り込み表示数を増やしているだけだからです。ですので、実際の記事の内容は、大手サイトの類似コンテンツのコピペであったり、自身で確認も行なわず、お宿の承認も得ず、ランキングなどを掲載する事が非常に多いのです。ライターを雇って各地の情報だけを集め適当にランク付けし掲載しているケースも少なくありません。

そこで一番の問題は、一過性の収益を目的としている為、ページの更新が行なわれていない可能性が極めて高いことです。つまり、情報が古く、現実に即していないのです。ですので、その情報を当てにして訪れた温泉旅館で「日帰り温泉はやっていません」と言われてしまったりするトラブルが多発しているのです。また、温泉旅館は宿泊をメイン商品にしている場合が多く、日帰り温泉の受入を宿泊の予約状況により頻繁に変えていますので、そこもトラブルが発生し易い要因の1つなのです。

精度の高い日帰り温泉情報の確認方法

では、日帰り温泉の情報はどこから得て、どのように見極めれば良いのでしょう。この問題のクリアする為に筆者は、情報の収集と確認を2つに分ける、2ステップ法をおすすめします。

名の通ったポータルサイトで情報収集

まずは、誰もが知っているようなメジャーなポータルサイトで広く情報を確認し当たりをつけましょう。具体的には「じゃらんnet」や「楽天トラベル」、「 BIGLOBE 旅行」「@nifty温泉」なども良いでしょう。

ただ、ここで重要なのは「多くの情報の中から当たりをつける」だけで、内容確認は別だと言うことを意識してください。信頼性の高いサイト=多くの情報が集まっている場所、というイメージでOKです。その中から地域を絞って日帰り温泉を行なっているであろう温泉旅館の候補を見つけましょう。そして、自分の好みの温泉を3つほど絞り込みます。実はこの「行なっているであろう」が重要で、ポータルサイトに掲載されている情報でさえ、実は当てにならないのです。それは、先もお伝えした通り温泉旅館は宿泊がメインですので、日帰り温泉の受入情報は頻繁に変更しており、大手のポータルサイトでさえその個々の旅館の情報をタイムリーに変更することなど不可能なのです。

お宿に直接電話で確認

お宿の情報で一番鮮度が高い情報を確認出来る方法は電話です。旅館は他業界と比較しインターネットでの情報発信に疎い業界であったりしますので、公式ホームページでさえ情報を更新していないケースも少なくありません。ですので、必ず電話で確認してください。「いついつ日帰り温泉に行きたいのですが、大丈夫でしょうか?」それだけでOKです。そこで確認をしてOKであれば、晴れて日帰り温泉の予約をしましょう。温泉旅館の場合は、食事付きのプランと入浴のみの場合がありますので、そこも事前にチェックし予約をしましょう。

ここで大切なことが1つあります。それは、自分が検索して見つけた情報で日帰り温泉をやっていると書かれていたけれど、現在はやっていなかったとしても決して怒ったりクレームを言ってはいけません。それは、先通り多くの情報が旅館の意図とは無関係に公開された情報であり、しかも更新をされないままになった古い情報だからです。その為に電話で確認をしているのですから、クレームを言うのは筋が違いますし、お宿から「この方は情報リテラシーの低い方だな」と思われ、逆に恥ずかしい思いをしてしまいます。

>関連記事:【賢い宿選び】ホテル旅館の「オフィシャルサイト」があてにならない3つの理由

まとめ

日帰り温泉の情報はとても多くありますが、信憑性の高い情報は極めてわずかなのです。信頼の出来るサイトで情報を収集し当たりを付け、お宿に直接電話で確認をすることが残念な思いをしないで済む確実な方法です。少し手間はかかりますが、後々トラブルになったり残念な思いをするより良いですので、皆さんも是非行なってみてください。

また、例え以前同様の内容で日帰り温泉を利用したとしても、今回利用する際には変わってしまいっている可能性も少なくありませんので都度確認されることをおすすめします。

良い宿を選ぶ為の「ホテル・旅館ランキング」の正しい読み方

ホテルや旅館を選ぶ時に多くの皆さんが「ランキング」を参考にされると思います。現在は、インターネットや雑誌などでも様々なランキングが掲載されていて、一体どれを参考にしたら良いのか迷ってしまう程です。しかも、掲載されたランキングを見て宿泊予約をしたのに、あまり良い宿だと感じなかったと言う方も大変多く、筆者もその理由を聞かれることがとても多いです。

そこで今回は、満足度が高く良い宿を選ぶ為に、お宿ランキングの仕組みと、正しい読み方をお伝えします。

「ホテル・旅館ランキング」を参考にする前の大前提

各種ランキングは、沢山ある宿泊施設の中から高い評価を得ているホテル・旅館を絞り込んで確認する事が出来るので、非常に便利です。しかし、良いお宿に出会う為には、ランキング以上に大切な部分があります。

それは、そのお宿が「自分の好みや旅行の目的に合った宿」であるかどうかです。この大前提を踏まえた上でランキングを確認する事がとても大切です。ランキングは自分と宿泊施設以外の第3者の評価ですので、そこが宿を決定する1番の理由になってしまうと、当然高い満足度を得ることは出来難くなってしまいます。「誰かにとって良い物が、自分にとっても良い物。」などと言うことは絶対にありえないです。

つまり、ランキングを参考してお宿選びをする場合、「自分の好みや旅行の目的 >ランキング」である事が重要なポイントになるのです。

>参考記事:【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

ランキングの根拠を確認する

これはお宿選びに限った事ではありませんが、インターネット上には誤った情報が溢れています。悪意がある物もあれば、単純に間違っている物もあります。また最近は、情報自体が古くなってしまい現状とは異なっているケースも少なくありません。このような現状を踏まえて、下記2点を事前に確認することを強くおすすめします。

サイト管理者は「誰」なのか

まず誰が付けたランキングなのかを確認しましょう。信頼性の高い情報なのかどうか確認する為には、これが一番重要になってきます。簡単に言えば、匿名でプロフィールも曖昧な一個人のブログに掲載されたランキングよりも、誰もが知っている宿泊予約サイトが公表しているランキングの方が信頼度が高いと言うことです。「ページタイトル」や「ヘッダー」又は「フッター」に必ず記載がありますので、ランキングページに入ったら一番最初に確認することをおすすめします。

もしこれがすぐに確認出来ないようなページであれば、そのページのランキングは参考にならないと思って間違いありません。

「いつ」「どのように」集計をしたのか

ここも非常に需要なポイントですので、必ずチェックしましょう。「いつ」と言うのは「情報の鮮度」であり、「どのように」は根拠・信頼性です。古い情報は当てにならないですし、集計方法の記載がなければ本当に集計したのかさえ怪しいです。ランキングや集計は精度が命ですので、これを記載せずランキングを公開しているサイトがあったとしたら参考に値しないページだと断定出来るのです。

代表的な宿ランキングと解説

実際のランキングページをいくつか見てみましょう。

楽天トラベル「ホテル・旅館ランキング」

宿泊予約サイト最大手「楽天トラベル」が公表しているランキングです。「人気順」と「売れ筋順」の2種類のランキングがあり、人気順は実際に利用された方達の口コミ評価のランキングです。売れ筋順は、その名の通り売上が多い順のランキングですので、リアルな人気ランキングとなっています。

また、1ヶ月毎の集計にランキングが更新されますので、情報鮮度が高く、精度が高いのも嬉しいポイントです。信憑性や精度も高い非常におすすめのランキングです。

>【楽天トラベル】「ホテル・旅館ランキング」はこちら

楽天トラベル「マイトリップ」

こちらもパッと見で誰が公開しているランキングなのかが明確に分かります。しかも、どの期間を対象としたランキングなのかもすぐに確認出来ます。また、ページの下部にはどのように集計をしたのかも記されており、とても信憑性が高いランキングであると分かります。

また、集計期間や地域を絞ったランキングの他にも「貸切露天風呂が人気の宿ランキング」や「クリスマスに人気のホテル」、「看板犬ランキング」など様々な切り口でのランキングが掲載されており見ているだけでも楽しいサイトです。また「切り口=目的」ですので、宿選びにとって一番大切なポイントを踏まえたランキングなのも見逃せないポイントです。

しかも、何れのランキングも最大手の宿泊予約サイト「楽天トラベル」からの予約や口コミ評価を基準にしている為、精度の高いランキングだと言えます。

>【楽天トラベル】マイトリップはこちら

じゃらんnet「ユーザーが選んだ!クチコミ・売れ筋宿ランキング」

こちらも誰がどのように集計し公表しているのかが一目瞭然です。

じゃらんnetも国内最大手の宿泊予約サイトですので、その信頼性は抜群です。また利用者の口コミ評価のランキングだけではなく、楽天トラベル同様「売れた宿」と言う切り口は非常にリアルですし、客室数毎にランク付けされている為、公平性も高いランキングだと言えます。

じゃらんnet「ユーザーが選んだ!クチコミ・売れ筋宿ランキング」はこちら

プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選

観光業の業界紙「旅行新聞」が主催している伝統のあるランキングですが、時代遅れの感は否めません。旅行新聞に広告掲載している大型旅館がランキング上位に名を連ね、「お宿選びはお客様自身がする行為」であると言う立ち居地ではなく、「プロ」と称する業界人が選んだランキングですので、個人で旅行をする際の宿選びの参考としてはおすすめ出来ません。

逆に、団体旅行でのお宿選びには最適ですので参考にされると良いでしょう。また、こちらのランキングにも掲載され、楽天トラベルやじゃらんnetのランキングにも名前が掲載されているお宿であれば、違った角度で見ても良いサービスを行い安定した満足度を提供している証拠だと言えるでしょう。

人気温泉旅館ホテル250選

こちらは業界紙「観光経済新聞」が公表しているランキングです。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」と同様に旅行会社の社員など業界関係者が選んでいる為、一般のお客様目線では無いランキングと言えます。

まとめ(見極め)

お宿のランキングを正しく読み、自分の旅行の参考にするのであれば、自分と同じ立場の人達の評価が反映されたランキングを参考にした方が、有益な情報となり結果が良くなるのは当然です。

また、情報の精度は確率論から言っても集計される分母の大さきに影響されます。ですので、より多くの情報、ビッグデータに基づいたランキングを参考にするのが良いと言えます。この2つを満たしたランキングとして、筆者は先にも紹介した「楽天トラベル」と「じゃらんnet」のランキングをおすすめします。実際に利用されたお客様のでデータの集計結果であり、分母の数も他の予約サイトの比ではありません。

国内旅行のお宿選びでランキングを参考にするのであれば、まずは「自分の好みと目的」を明確にして、この2つのランキングを確認すれば間違いありません。

>参考記事:【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

>【楽天トラベル】マイトリップはこちら

やらせレビューの見分け方【ホテル旅館編】

日本では「口コミ」と呼ばれることも多いですが、 消費者が商品やサービスへの感想を投稿する「レビュー」。楽天市場やAmazon(アマゾン)に代表されるようなネット通販はもちろん、飲食店や美容室などの実店舗、近年では病院にもレビューがある時代です。それだけ多くの消費者が商品やサービスの購入に第3者の意見を参考にしているという事になりますが、それは商品の提供側から見ると、レビューや口コミによって収益が変わってくることを意味しており、販売数を伸ばす為にお金を支払い、良いレビューを書いてもらう「やらせレビュー」が増加し、NHKのクローズアップ現代でも取り上げられる程の社会問題となっています。

このような嘘の口コミ・やらせレビューは宿泊業界でも同じように発生しており、それを信じて宿泊し残念な思いをされる方が年々増加していると言われています。年に1度の家族や友人との温泉旅行、宿泊料金だって決して安くありません。その為に、じっくり時間をかけて口コミを読み比べて選んだ旅館。それがやらせレビューで、実際は全く違うサービスだったとしたら、、、今回は、そんな方が少しでも少なくなっていただけるよう温泉旅館を経営する中の人間として、やらせレビューやインチキを見極める為のポイントをお伝えします。

参考記事:【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

参考記事:【失敗しない宿選び】たった4つのコツであなたの宿選びが劇的に変わる!

そもそもレビューとは何なのかを理解する

レビューや口コミを読む前に、まずはそもそもレビューや口コミとは何なのかを正しく理解する必要があります。世の中にはさまざまな商品やサービスに対してのレビューが存在しますが、すべてに共通する大前提があります。それは「自分以外の誰かの主観的な意見」であるということです。

極端な言い方をすれば、99人の人が素晴らしいと感じた商品でも、それがあなたにとっても素晴らしい商品だという訳ではないという事です。口コミやレビューは不特定多数の主観の集まりで、自分自身の感性や好みとは異なる意見なのです。つまり、口コミは可能性の話であり絶対的なものではないという大前提の元に読む必要があるのです。もっと言えば、あなたが素晴らしい評価をされたレビューを参考にして商品を購入したが、レビューに書かれていたような満足度が無かったとしても、それがやらせレビューだと決めつけることは出来ないのです。何故なら、そのレビューを書いた方は実際にそのように感じていたかも知れないからです。

悪質なレビューは確かに存在します。しかし、それを見分ける大前提としてレビューは 「自分以外の誰かの主観的な意見である」という事をしっかり理解しておくことが何よりも大切なのです。

誰が書いたか分かるレビューを見る

ホテル旅館のレビューには大きく分けて、宿泊しないと投稿する事が出来ないレビューと、宿泊しなくても書けるレビューが存在します。前者は「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などの宿泊予約サイトの口コミです。私達宿側も投稿した方が、いつ宿泊された誰なのかを特定出来ます。後者は「トリップアドバイザー」に代表される口コミサイトとなり、こちらは実際に宿泊していなくても投稿する事が可能です。つまり、アカウントさえ持っていれば誰でも自由に書き込みが出来る仕組みなのです。

サイトの優劣や評価をするつもりは全くありませんが、トリップアドバイザーのように誰でも簡単にレビューが出来るシステムの方が、やらせレビューを書き易いのは事実です。また、自分が誰かを相手が特定出来る状態でなければ、偏った内容になってしまいがちですし、無責任な投稿である可能性も高まります。つまり 「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などの宿泊予約サイト内のレビュー方が信頼度の高く、やらせレビューである可能性が低いと言えるのです。

参考記事:【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

レビューの文字数を見る

やらせレビューは、「高い点数」と「これはいいね!」と言う内容が消費者に伝わればそれで目的は完了しますので、レビュー自体の文字数は少なくなる傾向にあります。やらせレビューライターの方も同じ報酬をもらうのであれば、文章は出来るだけ短く簡単に済ませたいと考えるはずですので、文字数は短くなると考えられます。一方、ホテル旅館に寄せられる本当の口コミは、実体験に基づいたものですので、その感動や思いを短い文章で綴ることはなかなか難しいものです。これは、良い内容であっても、悪い内容であっても同じで、思いの籠った文章はそんなに短く書けるものではありませんし、そもそも嘘の投稿をして稼ごうというような、周りの皆さんの不利益を考えない行動をするような人に思いの籠った長い文章など書けるはずがないのです。

本当のレビューであっても文章が短い場合がありますが、これは各宿泊予約サイトが行っている口コミキャンペーンに合わせて投稿をしているケースが考えられます。この時期にレビューを書いたら何ポイントプレゼントのようなイベントです。これは少し見分けがつきにくいですが、キャンペーンとして期間が限定されていますのでそこを意識してみると良いでしょう。具体的には、そのホテル旅館全体の口コミ投稿ペースを確認し、一定期間に集中して短い投稿がある場合は、本当のレビューですがポイント目当ての可能性が高いと判断することが出来るのです。

レビューの投稿タイミングを見る

これが一番分かりやすい見分け方かも知れません。ホテル旅館がどんな時に「やらせレビュー」を書いて欲しいと思うか考えれば、すぐに見分ける事が可能です。

答えは簡単です。それは「低いレビューが投稿された直後」です。レビューは通常新着順に表示されますので、低いレビューが投稿されると次のレビューが投稿されるまでの間、誰もが必ず見る1番上にそのレビューが表示され続けるのです。筆者も経験がありますが、低い口コミ評価のレビューが連続して投稿されると予約が急に入らなくなってしまいます。宿側からしてみたら、1日でも1分でも早く次の投稿が入って欲しいと切実に思います。そんな時、どんな行動をするのかで、そのお宿の姿勢が分かるわけですが、残念ながらこのようなタイミングでやらせレビューが書かれる事が多いのです。

つまり、連続した低評価のレビューの直後に、そのお宿の今までの平均評価を上回る高評価のレビューが複数入っていた場合は要注意です。今まで週に一個程度の投稿ペースにも関わらず、突然2~3日の間に良い投稿が立て続けにあった場合、筆者は「あー、やっちゃってるなぁ」と感じます。

まとめ

  • レビューとは何なのかを理解する
  • 誰が書いたか分かるレビューを見る
  • レビューの文字数を見る
  • レビューの投稿タイミングを見る

ホテル旅館の場合、最初の大前提を理解し、この3点をおさえておくだけで、やらせレビューに騙される可能性を激減させることが出来るはずです。最近はほとんどありませんが、以前は「良い投稿を書きます。」という営業メールが頻繁に送られてきた時期もありました。ただそれは、何れもwebサービスの会社からの営業メールでしたので、コンプライアンスの問題でそのサービスを廃止したと考えられます。しかし、現在は会社などの組織ではなく、様々なプラットフォームを媒体として店舗と個人が繋がり、このようなレビューが大量に投稿されるようになっており、闇は深まっているように感じます。中には、知人に依頼をして(共謀して)良いレビューを書いてもらったりなど手口は日々巧妙化しています。

これからは今以上に情報リテラシーの高さが求められる時代です。各専門家のハウトゥーなどを参考にしながら、自らのリテラシーを高めていく努力が何よりも大切になってくるでしょう。また、例え自身が騙されたと感じるような口コミがあったとしたなら、それを非難したり、自らを悲観するのではなく、その経験を自らの鑑識眼の糧として次からそうならないようリテラシーの向上に努めて行かなければ、騙し騙されのいたちごっこからは抜け出すことは出来ないのではないでしょうか。

参考記事:【失敗しない宿選び】たった4つのコツであなたの宿選びが劇的に変わる!

参考記事:【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

進むお宿の「専門店化」。専門宿の魅力と高い満足度の秘密

ホテル旅館の専門店化が進んでいます。様々な業界で当たり前となってきた専門店化。飲食業界などでは「タピオカ専門店」や「食パン専門店」など本当に多くの専門店が存在していますが、今、宿泊業界でも○○専門旅館や△△専門ホテルなどの専門宿が多く現れてきているのです。

満足度の高い旅行の為には「旅の目的を明確にすること」がマストですので、お宿の専門店化は、お客様とお宿のミスマッチを減らすことに繋がり、非常に良い傾向だと思います。今回は、実際に筆者も宿泊したことのある専門宿も含めてその魅力と高い満足度の秘密をお伝えします。

専門宿の魅力

専門宿の魅力は、何と言っても自身が求めているサービスを確実且つ高いレベルで提供してくれる事でしょう。

どんなにホームページが丁寧に作られているお宿でも、予約を検討している段階でそのページに記載された内容をすべて確認することは不可能だと思います。実際に筆者の経営する温泉旅館にお問合せをいただくご質問の6割~7割は、ホームページに記載がある内容です。表記の仕方にも問題があるかとは思いますが、限られた時間の中で、多くの情報の中からその内容を見つけ出すのは難しいのが現実かと思います。また、予約を検討している段階では複数のホテル旅館のページを回遊しながら比較していきますので、さらに情報を見つけ出すのは困難になります。しかし、専門宿の場合はどうでしょう。専門宿は特定のサービス内容に対して専門化を行なっている為、自身の目的を多くの情報の中から見つけ出す必要がなくなるのです。つまり、情報収集の段階で確実に自身の目的にあったお宿を特定することが可能になる為、高い満足度が得やすくなるのです。

また、専門宿は特定のサービスにすべての経営リソースを投入出来る為、高いレベルのサービスが期待出来ます。あれもこれもではなく、専門分野に特化し、その他のサービスを行なわず経費も抑えていますので、結果的にコストパフォーマンスが非常に高いお宿となります。余計なサービスがあれこれついて高い宿泊代金になってしまうより、本当に必要なサービスだけを安価で提供してくれるお宿を好む方がかなり増えて来ているのも現実で、そのニーズにも専門宿はマッチしているのです。

専門宿を見てみよう

それでは、実際に専門宿を見て行きましょう。

【お二人様専門】湯の沢温泉 時の宿すみれ

湯の沢温泉 時の宿すみれ

こちらは山形県にある「お二人様専門」のお宿で、筆者も宿泊させていただいた事のあるお宿です。「2名専門」となっていますので、とにかく静かにゆっくりと寛ぐ事が出来るお宿です。グループのお客様もお子様連れもいない為、館内はとても落ち着いた時間が流れています。また2名利用でのニーズが高い貸切風呂も2つあり予約無しで無料で使用出来ますが、全10室のお宿ですので、ほぼ希望の時間に使うことが出来ます。また、米沢牛の老舗販売店「牛黄木」の系列店とあって最上級の米沢牛がとれもリーズナブルに食べれるのも魅力です。

→「湯の沢温泉 時の宿すみれ」の詳細・ご予約はこちら

【ペット専門】ペットと泊まれる貸切天然温泉の宿 マーフィ

ペットと泊まれる貸切天然温泉の宿 マーフィ

静岡県の伊東温泉にあるこちらのお宿は「ペットと一緒に優しい思い出をつむぐペット温泉宿」というキャッチコピーの通り「ペット専門」のお宿です。ペットアメニティやマナーウェアを無料で用意していたり、希望をすればペットも天然温泉を楽しめるよう専用のバスタブまで準備してくれる拘りよう。もちろん、食事はダイニングでペットも一緒に食べる事が可能です。ホームページには初めてのペット旅をサポートするページも用意されており、正にペットと一緒に温泉旅行を楽しむ為のお宿です。

→「ペットと泊まれる貸切天然温泉の宿 マーフィ」の詳細・ご予約はこちら

【女性専用】女性専用の町宿 ランタン鎌倉

女性専用の町宿 ランタン鎌倉

「ランタン鎌倉」は、鎌倉の町を楽しみたい女性専用の小さなお宿です。女性専用とあってアメニティの充実はもちろん、リビングスペースや食器類などの設えもお洒落です。その飾ることのない雰囲気は、古都鎌倉散策を楽しみたい女性にぴったりです。1日2組限定ですが、一棟貸切も出来るそうなので女子グループでちょっと贅沢にお泊りすることも可能です。

→「女性専用の町宿 ランタン鎌倉」の詳細・ご予約はこちら

まとめ

今回は3つの専門宿をご紹介しましたが、その他にも「ファミリー専門」など利用形態を専門にしたお宿や、「あわび専門」「金目鯛専門」など食材に特化したお宿など、さまざまな専門宿が登場してきています。

皆さんも是非「旅の目的」を明確にして、その目的にあった専門宿を探してみてください。きっと素晴らしいお宿にめぐり合い、満足度の高い旅行を楽しむことが出来るでしょう。

関連記事:【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

関連記事:【応用編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。必ずチェックするべき5つのポイント

【失敗しない宿選び】意外と知らない宿の種類と選び方

旅行の満足度に一番大きな影響を与えるのが「お宿」です。どんなお宿に泊まるのかを選ぶこと、つまり「宿選び」は旅行の成功を左右する重要なポイントです。しかし、日本には多種多様なお宿の形態があり、その中から目的に合わせたお宿を選ぶのはなかなか難しいものです。そこで今回は、日本にはどんなお宿があり、そこがどんな旅の目的に適しているかをお伝えします。

宿の形態は大きく分けて6タイプ

宿泊施設の営業スタイルはさまざまですが、大きく分けて6つに大別されます。現在は宿泊者の多種多様なニーズに応えられるよう「ホテルのような旅館」のように、それぞれのエッセンスを併せ持ったハイブリッド型の施設も数多く出来てきました。ですので、個々の宿の詳細はWebサイトで確認される必要がありますが、それぞれの営業形態の傾向を掴んでおくことは、目的にあった宿選びにとってとても重要なポイントになりますので、しっかり確認しておくことをおすすめします。

ホテル

ホテルの中でも様々な営業形態がありますが、今回は「旅行」という側面で各ホテルの特徴を確認して行きましょう。レジャー系ホテルは比較的大きな施設となっており、多くの場合は各種レストランや喫茶店を備え、アロママッサージやエステなどを体験出来る所もあります。また、さらに大型の施設の場合はプールやフィットネスジムなども完備しており、ホテルの中で様々なことを楽しみたいという方におすすめです。

リゾートホテル

多くの場合は、高原や海沿いの行楽地に位置しています。周辺観光はもちろん、現地ならではの着地型アクティビティなども用意されていますので、お子様連れの旅行に最適です。

シティホテル

各都道府県庁所在地など街の中心部に建つホテルです。デラックスで豪華な造りが特徴で、ショッピングなど街の中心部を観光されたり、贅沢な宿泊体験をされたい場合に向いています。

ビジネスホテル

基本はビジネス利用ですが、ライブやイベントなど宿泊とは別に主たる目的がある場合にもおすすめです。チェックアウト時間が遅くなっても良いところも特徴です。

旅館

旅館の客室は床の間のついた和室で、館内は浴衣で過ごし、会席料理を食べる。そんなイメージを持っている方も多いと思いますが、現在の旅館は決してその限りではありません。ベッドの入ったお部屋は当たり前、様々なナイトウェアがあり、料理も和食から洋食まで様々。現在は、多くの旅館がお客様のニーズに合わせて、ハイブリッドな宿泊形態に変容しているのです。つまり、各宿泊施設の中で一番多様性に富んだ営業形態が「旅館」であり、その分より慎重な宿選びが求められます。

旅館選びのポイントは多岐に亘りますので、詳細は下記の記事をご確認いただければと思いますが、その多様性故に「宿選びに失敗した」と言う声を一番多く耳にするのが旅館です。たまの温泉旅行という事もあったりして、事前の期待値が高まり易いのも旅館利用の特徴ですので、しっかりポイントを掴んだ宿選びが必須です。

参考記事:【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

参考記事:【応用編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。必ずチェックするべき5つのポイント

ペンション

温かな家庭的なおもてなしが特徴の小さな宿が多く、他とは違うオリジナルな空間や雰囲気を楽しむことが出来る宿泊形態です。ほとんどの場合は家族経営で、オーナー家族や他の宿泊者とダイニングなどの共有スペースで交流が楽しめるのもペンションの特徴です。また、ペンションの宿泊で見逃せないのが食事です。オーナー夫婦が腕によりをかけて作る自慢の手作り料理のレベルの高さには定評があります。実際に、宿泊予約サイトの口コミ評価の食事部門の上位には、客室数10室未満のペンションが名を連ねています。

ほとんどの場合、大浴場や温泉はありませんが、近隣の温泉入浴施設と提携されていてリーズナブルにその地域の温泉を楽しめるケースが多いです。また、価格がリーズナブルでコスパが高いのも魅力の1つです。また、アメニティの用意はありませんので持参が必要です。

民宿

田舎の実家で寛ぐようなアットホームな雰囲気が民宿の最大の魅力で、ほとんどの場合はペンションと同じく家族経営です。ペンションがリゾート系洋館とすれば、民宿は田舎系和館と言えます。漁業や林業で生計を立てながら、民宿を営んでいる方が多く、自らがとって来た山海の幸をその場で調理して食べさせてくれる為、料理も大きな魅力です。また、自らが獲ってきた物なので(原価がタダ)一般のレストランで食べたり、スーパーで買ったらいくらするのか恐ろしいような品質の食材の数々が、信じられないほど安価な宿泊料金で提供されるのも民宿ならではです。また、ペンション同様にアメニティは持参してください。

コテージ(貸し別荘)

友達グループや何家族か集まってワイワイ過ごしたい時に最適です。一棟まるごと貸し切れる為、周りのお客様に気兼ねする事無く賑やかに楽しむことが出来るのがコテージの最大の魅力です。宿の決められた時間に合わせる事無く自由な時間を過ごせるのも特徴です。食事は基本「自炊」ですので、みんなでバーベキューをしたり花火を楽しんだりするのも良いでしょう。料金形態は大体「一棟いくら」ですので、人数が集まれば集まるほどお得に宿泊可能です。

リゾートホテルの敷地内にコテージが点在しているような形態も多く、夏休みのお子様連れ旅行などでは、リゾートホテルとコテージの良いところを一緒にして楽しむ事が出来る場所も沢山あります。食材の調達先なども含めて、どんな立地にあるのか事前のリサーチを丁寧にされることをおすすめします。

民泊・ゲストハウス

皆さんも一度は聞いたことのある「民泊」は、本来はゲストハウスとは別の事ですが、あえて一緒にさせていただいました。それは今まで日本には無かった宿泊形態という意味で同じだからです。

何れも外国人旅行者の急増により急速に増えて来た宿泊形態で、より安価に、そり簡易的に宿泊出来るのが特徴です。基本的には、宿泊と言う行為に付加価値を求めず、語弊があるかも知れませんが「雨風をしのげて寝れれば良い」と言うスタンスの宿泊を希望される場合に最適です。しかし、快適性や利便性に欠けるという事では決してありませんし、旅館同様に今後の進化が楽しみな宿泊形態です。

まとめ

今回は宿泊施設を大別してみましたが、「宿泊」と言う行為の懐の深さを感じていただけたのではないでしょうか。これだけ多種多様な宿泊の選択肢があるということは、自身の旅の目的にあったお宿に出会える可能性が高いと言うことだと思います。

それぞれのお宿の特徴をしっかり理解して、旅の目的にあったお宿選びをしてください。

>宿泊予約なら【楽天トラベル】がおすすめ
国内旅行は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK!その理由を徹底解説

【失敗しない宿選び】たった4つのコツであなたの宿選びが劇的に変わる!

旅行で失敗しない宿選びをする為には多くのコツが存在します。今回はあなたに合ったお宿に巡り合う為の重要なポイントを4つに絞ってお教えします。宿選びはコツさえ掴めば、必ず満足の行くお宿を選ぶ事が出来るようになりますので、1つずつその理由も含めて解説させていただきます。

コツ1:口コミを正しく読む

口コミはお宿選びをする中でとても重要なポイントであり、すでに皆さんも確認されている部分だと思います。宿泊予約サイトに投稿された口コミ内容は、ホテル旅館もサイト運営側も関わることが不可能ですので、実際の利用者の生の声をそのまま見る事が出来、宿選びには絶対欠かせないポイントです。しかし、口コミは「面識も無い、一個人の意見」と言う側面も持ち合わせていますので、読み方が重要になってきます。そこで、どんな部分に注意して読めば良いか解説していきます。

  1. 世代は合っているか
  2. 投稿日をチェック
  3. 似非評論家の意見は除外
  4. 低評価にこそ重要な意見がある

世代は合っているか

旅行にどんな目的を持っているのかは千差万別です。ですが、大きな価値観の方向性は「世代」で判断出来ます。高齢者の方が良いと感じるモノと若者が良いと感じるモノは違って当然です。多くの口コミサイトでは、20代、50代など投稿者の世代を判断出来る項目がありますので、ご自身と近い年代の意見を参考にされると良いです。

投稿日をチェック

古い投稿は信憑性に欠けます。お宿はリニューアルをしたり、日々サービス内容を改めたりしています。また支配人や料理長が変わったなど、サービス内容を根底から変える人事も当然あります。ですので、古い投稿はそのホテル旅館の今の現状を表していない可能性が高まります。予約サイトの口コミには投稿日の記載もありますので、必ずチェックしましょう。

似非評論家の意見は除外

クチコミを読んでいると、評論家が書いたのかな?と思うような投稿を見かけることがあります。そのような投稿は、自身のエゴの主張やマウンティングをしたいだけのケースがほとんどで、全く根拠の無い偏った意見である場合が多いです。その為、あなたの宿選びの参考にはならない「スパム」として理解して間違いありませんので読み飛ばしてください。

低評価にこそ重要な意見がある

星の数などで低評価をされているクチコミこそしっかり読みましょう。低評価になってしまった理由として「好みの違い」が多くあります。同じサービス内容でも、Aさんには最高、Bさんには最悪のおもてなしである事も良くあります。低評価の口コミには、その内容が細かく書かれていることが多いです。例えその口コミが低評価だったとしても、しっかり読み込む事で逆にあなたの好みに合ったお宿であると分かる場合があるのです。

参考記事:【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

コツ2:「広告」なのか「おすすめ」なのかを見極める

温泉旅館支配人の筆者がおすすめする宿泊予約サイトは「楽天トラベル」と「じゃらんnet」ですが、いずれのサイトも価格や地域などに寄って表示の順番を並び替える機能がついています。このソート機能は非常に便利で、特に「おすすめ順」と言う項目は非常に重宝します。それは、単純に口コミの評価だけでなく、直近の1か月間の利用者数などをサイト側が総合的に検索し、おすすめ順に並べてくれるからです。しかも、今後AIが進歩していくことで更にパーソナライズされたおすすめを提示してくれることになるでしょう。

その「おすすめ順」を見ていく中で重要なポイントが1つあります。それは、正規のおすすめ順の最上位に「広告」が混じっていると言うことです。実際の画面を見てみましょう。

楽天トラベルで「おすすめ順」にソートした画面
上部に【注目!】と表示されています。
じゃらんnetで「おすすめ順」にソートした画面
上部に【注目プランのある宿】と表示されています。

このような表示されているモノはすべて広告で、広告が実際のおすすめ順の上に表示される仕組みになっているのです。これはリスティング広告と言われるもので、見慣れてくると広告だと分かりますが、使い慣れていない方にはサイトがおすすめしている宿のように映ります。もちろん、広告で表示されるホテル旅館が悪いと言う分けでは全くありませんが、勘違いをしてしまい易いので宿選びの際は注意が必要になります。(リスティング広告以外にも、宿泊予約サイト内にはさまざまな情報が広告として表示されています。)

参考記事:【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

コツ3:曖昧(あいまい)な表現は読み飛ばす

webページの多くは文章と画像(近年は動画)で構成されており、お宿も同様に自館の内容をテキストと画像で表現しています。その中でこんな表現を見たことは無いでしょうか?

  • 四季折々の旬の食材を使用して…
  • 料理長が厳選した…
  • 広々とゆったりした…
  • 野趣溢れる開放的な…

このような表現は温泉旅館などのページに散見される表現ですが、イメージは何となく分かるのですが、抽象度が高く非常に実態が掴みにくい表現です。また、料理に使う食材は料理長が厳選するべきですし、冷凍保存が出来ない食材以外は旬でない食材を仕入れる事の方が難しく、原価もかかってしまう為、ほぼすべての宿が行っていることなのです。ですので、このような表現は「当たり前」と認識し、お宿選びの基準から外すのが良いです。

逆に下記のように「これでもか」と言うくらい具体的な表現こそ、しっかり読み込んでください。そこを読み込むことで、あなたの求めているサービスなのか、そうでは無いのかが明確に見えてくるのです。下記の旅館の場合は、伝統野菜に興味のない方にとっては必要の無い価値だと明確に分かります。

「伝統野菜」というと京都や金沢を連想されるかもしれませんが、新潟にもたくさんの伝統野菜があります。「かぐら南蛮」「長岡丸茄子」「魚沼きんちゃく茄子」「大崎菜」「黒崎茶豆」……、数え切れないほどの種類があります。とくにナスの種類は20以上といわれ、夏から秋の新潟はナス天国! しかし新潟の伝統野菜は、京都や金沢のように飲食店で使われることがないので生産量はごくわずか。流通市場もないので多くの品種を安定的に入手するのはかなり困難です。「早苗饗 −SANABURI−」では、「そんな新潟の伝統野菜に少しでも光があたれば」という想いから、県内各地の生産者から野菜を直送してもらい(または取りに行って)料理に使っています。生産量が限られているため常にご提供できるものではありませんが、料理に伝統野菜が入っていたらじっくりと味わっていただければ幸いです。

引用元:食材について | 里山十帖 created by 自遊人

コツ4:写真や画像は大事だけれど、、、

現在は、綺麗な写真や画像を見て文章を読むかどうかを決めると言う方も少なくありません。筆者も同じです。しかし、「掲載画像と全然違った!」「だまされた!」と言う指摘やクレームが後を絶たないのも現実です。

ホテル旅館側としたら、写真の良し悪しは売上に直結しますので「少しでも良く見せたい。」と言う気持ちになるのは当然です。そこで多くのお宿は、さまざまな技術を駆使してクレームにならない範囲で写真を「盛って」掲載しています。この盛り過ぎがクレームの1つの原因です。また、同じ理由でお宿は、一番良い時の写真をずっと使っています。リニューアルや改装をした直後に写真を撮って、20年間その写真を使っているなんて事も普通にあります。その時生まれた赤ちゃんが成人してしまう年月です。当然現在の姿とはかけ離れていて当然です。では、どのうように見分けたら良いのでしょうか。

  • 直近の口コミ20件(または1年間分)をチェックする
  • 動画は信ぴょう性が高い
  • 改装やリニューアル年をチェックする
  • アーカイブで過去のwebページを確認する

先にもご説明しましたが口コミは多く皆さんの主観の集まりです。ですので、直近の星の数が4点以上で安定しているのであれば、ある程度画像の信ぴょう性が高いと判断出来ます。現実とかけ離れた画像を使っていればあっと言う間に口コミは下がってしまいますので、範囲を広げて口コミを見てみると良いでしょう。また動画の加工にはかなりの技術や労力が必要ですので、動画は加工処理がされていない場合が多いです。と言うことは、動画を掲載しているお宿はそれだけ写真などと現実に差が無いと言う自信があると考えられます。

改装やリニューアルの年月も大事です。お宿は必ずそのタイミングで写真を撮り直しますので、その年月を確認する事で写真の鮮度を確認出来ます。最近リニューアルをしていれば、ページ上に必ず記載がありますし、もし無いのなら問い合わせて聞いてみても良いです。また、「Wayback Machine(ウェイバック マシン)」のように過去のページの状態を見ることが出来るWebサービスもあります。該当ホテル旅館のホームページのURLを貼り付けると指定した過去の日付時点でのページを見ることが出来る面白いサービスです。「あ!この画像10年前から使っているな!」なんて事が分かってしまいますが、かなりディープな方法ですので、先の3つのポイントだけで十分かと思います。

まとめ

今回は宿選びのポイントを4つに絞って、どんな風に見るのが良いかコツをお伝えしましたが、このポイントさえ押さえておけば、お客様をだまそうと言う悪質な意図がなければ宿選びで失敗することは無いでしょう。何より一番大事なのは、あなたとお宿のミスマッチをなくす事です。今回のコツを押さえて、あなたに合ったお宿選びをしてみてください。

【賢い宿選び】ホテル旅館の「オフィシャルサイト」があてにならない3つの理由

ホテルや旅館の選び方を紹介しているブログなどで、必ずと言って良いほどオススメされているのが、そのお宿の「オフィシャルサイト」「自社ホームページ」を確認する事です。確かに、情報源としてそこでしか得られない情報や内容が掲載されているケースもあります。しかし、温泉旅館の支配人として、ホテル旅館の内情を熟知し、且つ販売する側として見た時に「オフィシャルサイト」は本当にお客様目線のサイトなのか疑問を持っています。と言うより、正直に言えば「あてにならない。」とさえ感じています。

今回は、その「あてにならない。」理由をお伝えさせてもらいます。

「知りたいこと」ではなく「伝えたいこと」が書かれている

1つ目の理由は、「宿泊客が知りたいこと」よりも「ホテル旅館が伝えたいこと」の方が圧倒的に多く書かれていると言う点です。これは人の心理として当然なのですが、泊まってもらいたい、予約してもらいたい、と言う一心で良い事が中心に書かれているのです。逆に言えば、予約に対して不利に働く内容や知られたく無いことは、あまり書かれていない事がほとんどです。当然と言えば当然の事なのですが、その情報だけを見て予約してしまったお客様はどうなるのでしょうか。答えは簡単ですね。

お宿のオフィシャルサイトや公式サイトは、「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などのOTA(Online Travel Agent)と違い、決まったフォーマットも無く、掲載内容に縛りや制限も無い為、そのお宿が自由に表現内容を決める事が出来ます。その為、掲載内容がお宿に都合の良い方に大きく偏っている可能性があるのです。

企画も制作も作成会社に丸投げ

ホテル旅館がオフィシャルサイトを作成する際には、ほとんどの場合はホームページ作成会社に依頼し作成します。ここまではどの業界でも良くある話で、社内にwebデザインやWordpress等の扱いに慣れた方がいなければ、必然的にそうなります。しかし、ここからが問題です。

多くの宿泊施設では、ホームページの作成にあたり、自社の強みを掘り下げるわけでもなく、どんなお客様にどんな事を伝えなければならないのか等、Webサイトの要諦と言える部分を何も考えず、レイアウトやビジュアルに重点を置いてしまっているケースが圧倒的に多いのです。しかも、すべて制作会社に丸投げです。正に「仏作って魂入れず」なのです。

色々なホテル旅館のオフィシャルサイトを見比べて見てください。宿名を変えたらどこのお宿のページなのか分からない程、類似したページが沢山見つけられるはずです。地域を絞って見てみると、同じホームページ作成会社が作ったモノだと分かってしまう程、類似した公式サイトが多く存在している事に気づくことが出来ます。

見ているのは「お客様」ではなく「OTA」

先の2つからも分かる通り、お宿の公式サイトはお客様目線ではないのです。もちろん、そうではないお宿も沢山ありますが、ご紹介させていただいているようなケースの方が間違いなく多数派です。そして、次は商品・プランの話です。

「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などのOTA(Online Travel Agent)から予約があった場合、お宿はシステム利用料として約10%の手数料をOTAに支払います。従って、お宿としては出来るだけ利益を上げる為に、OTAではなく手数料のかからないオフィシャルサイトから予約していただけるよう頑張ります。そこに問題が発生します。本来であれば、自社が提供するサービスの対価として料金が設定され、その中でお客様の満足度を最大化する努力を行なうべきですが、OTAで予約が入った場合の10%の手数料を前提としたサービス内容で商品を販売しているケースが散見しているのです。「どうせ10%とられるなら、その半分を特典(館内利用券など)にして公式ページで予約してもらおう。」「どうせ10%とられるなら、その分値引きして売ろう。」そんなイメージです。このような商品販売をされているホテル旅館は要注意です。

一見、お客様にとって良い内容にも見えますが、お客様を見てサービス内容や料金を決めていないと言うことは、実際に宿泊した際の料理などのサービス内容も、お客様を見ていないと考えられます。お宿の姿勢の話です。

まとめ

  • お宿の公式サイトに掲載されている8割以上の情報は、宿都合の情報
  • 制作は丸投げで 「仏作って魂入れず」
  • お客様の満足度より利益重視の商品展開

今回は「賢い宿選び」として、お宿の「オフィシャルサイト」「自社ホームページ」の内情をお伝えさせていただきました。しかし、決してすべてのホテル旅館がそうではありません。大切なのは、情報を判断するリテラシーです。この記事の内容を頭の片隅に置いてお宿のホームページを見てみてください。きっと、今までと違った視点でお宿選びが出来るようになるはずです。

【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

【安かろう悪かろう】ではない!大江戸温泉物語グループと 伊東園ホテルズ の賢い泊まり方

1泊2食+飲み放題付で8,000円台で泊まれてしまう温泉宿を展開する2大ホテルチェーン「大江戸温泉物語グループ」「伊東園ホテルズ」。その安さ故『安かろう悪かろう』との評判もありますが、何故その価格帯やサービスが実現出来るのかを理解する事で、決してそうではないことが分かってきます。今回はその秘密に迫ります。

大江戸温泉物語グループ
伊東園ホテルズ

何故、圧倒的に安いのか?その理由は?

現在、大江戸温泉物語グループは36件のホテル・旅館を、伊東園ホテルズは関東・伊豆熱海を中心に49件の宿を展開しており、両グループ共に日本を代表する大ホテルチェーンです。そして、この2大チェーンの最大のウリは、その「安さ」にあります。まずは、その安さの秘密を解説します。

両グループのすべてのお宿やプランで共通ではありませんが、その安さを実現する為に行なわれている3つサービス形態と独自の経営手法が存在しています。

徹底した人件費削減

一般的な旅館経営では、売上に対する人件費率は30%未満が健全だと言われています。しかし、大江戸温泉物語・伊東園ホテルズ、両グループは、人的サービスを可能な限り削減し、より安価な宿泊料金を可能にしています。具体的には下記の3つのサービス形態を導入しています。

  1. 客室への案内を行なわない
  2. 食事は夕食朝食ともにバイキングスタイル
  3. 布団敷きもセルフサービス

上記3つのサービス形態をとる事によって、フロント、調理、料理出し、布団敷等、多岐に亘って宿の運営に関わる人件費を大きく削減しています。何れも今まで旅館がおもてなしとして行なってきたサービスですが、これをセルフサービスとする事で、お客様に販売価格として還元すると言うスタイルなのです。

安価な物件取得と少額の設備投資

大江戸温泉物語・伊東園ホテルズ、両グループの安価の理由として、もう1つ大きな理由があります。それは、宿の営業を開始する手法にあります。

両グループが経営しているお宿には、以前はすべて別のオーナーがおり、廃業や倒産などにより売りに出された建物を安価で取得する形態をとっています。これは、新築でホテルや旅館をはじめるより極めて安価で物件が取得出来ると同時に、以前営業されていた状態でそのまま物件を取得出来る為、追加の修繕費も少額に抑えられます。いわゆる「居ぬき物件」を安価で取得し、営業をスタートさせているのです。

経営的には借入金が少なく抑えられる為、少ない利益でも返済が可能になります。この「借金が少ない」と言う事も、価格を安く抑えることが出来る大きな理由の1つです。

両グループ宿の賢い利用方法

ここまでお読みいただいた方はお分かりかと思いますが、大江戸温泉物語・伊東園ホテルズ、両グループは、ただ安い訳ではなく、安価を実現し得る全うな理由が存在するのです。ですので、先にも挙げた

  • チェックイン時にお部屋までのご案内がない
  • 食事は夕食朝食ともにビュッフェスタイル
  • お布団は自ら敷く

この3つのサービス内容を納得出来るのであれば、決して「安かろう悪かろう」の宿ではないのです。企業努力の上に成り立った適正価格と言えるでしょう。

ただ、設備自体は新しくありませんし、人的なサービスは省力化されていますので、記念日やお祝いなど大切なシーンでの利用ではあまりおすすめ出来ません。「ちょっと足を伸ばして温泉でゆっくりしたい。」「グループで気軽に温泉旅行を楽しみたい。」など、普段使いのお宿としての利用であれば、コスパの良いお宿として、おすすめ出来るホテルチェーンです。

→大江戸温泉物語グループのご予約はこちら

→伊東園ホテルズのご予約はこちら

【応用編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。必ずチェックするべき5つのポイント

旅行の満足度は、宿泊するホテルや旅館に大きく左右されます。そこで先回は、賢いお宿の選び方【基本編】として、良いお宿を見つける為の基本を3つのステップに分けてお伝えしました。(基本編を読まれていない方は、先にそちらをご覧いただく事をおすすめします。)

【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

そして今回は【応用編】として、実際に宿を選んでいく中で必ずチェックしなければいけない5つのポイントを解説させていただきます。

受け入れている客層

「かしこいお宿選び」においては、実はここが一番重要なポイントです。基本編でもお伝えしましたが、満足度の高い宿泊の為の大前提は、旅の目的に合ったお宿を選ぶことです。「目的に合ったホテル旅館を選ぶ事=賢い宿選び」と言っても過言ではないほど大切なポイントです。

記念日を恋人とゆっくり過ごしたいのに、カラオケを大音量にして大宴会をしている団体や、高校生の部活の合宿を受け入れていた。小さなお子様と一緒の家族旅行なのに、ラウンジで酔っ払いがコンパニオンと騒いでいた。このような最悪の状況は、実は良くあることなのです。これは、そのお宿がどのような利用形態のお客様を受け入れているのかを事前に確認出来ていないと発生してしまう悲劇なのです。

この自分の旅の目的とお宿のミスマッチは、満足度に致命傷を与えますので、ここを事前にチェックしないで予約をしてしまう事は「賢い宿選び」とは言えません。もし宿泊予約サイトや雑誌などの情報で判断がつかない場合は、お宿に直接電話やメールで問い合せしてでも確認するべき内容なのです。

ホテル・旅館の規模

お宿の事業規模は、先の「客層」と深い関係性がありますので、必ず確認しなければならないポイントです。具体的には客室数をチェックしてください。掲載方法は違えど、どの宿泊予約サイトにも「施設の基本情報」として、客室数が記載されています。

楽天トラベルの施設基本情報掲載欄
じゃらんnetの施設基本情報掲載欄

確認した客室数で、そのお宿が「団体客型」か「個人客型」なのかが分かります。一概には言えませんが、目安としては下記のようになります。

  • 50室以上:団体客主体の大型旅館
  • 20~50室:中規模旅館
  • 20室以下:個人客中心の小規模旅館

これがすべてではありませんし、好みにもよりますが、のんびりと過ごしたいのであれば中規模以下がおすすめです。後述しますが、大規模でも朝食夕食共にバイキングの形態をとられている場合は、カップルやご家族利用などの個人客中心のお宿である場合があります。

細かな見極めは経験に頼る部分もありますが、客室数と掲載写真を合わせて確認する事で、そのお宿の全体像と客層の傾向をつかむことが簡単に出来るのです。

宿泊費

宿泊料金も宿選びをする上では、欠かせないポイントです。ここで重要なのは、料金が高ければ良い宿で、安ければ悪い宿、と言う事では無いと言うことです。宿泊料金はお宿のサービスレベルを測る数字として重要ですが、大切なのは額面の大小ではなくコスパです。

ただここでもやはり、旅の目的と合わせて宿泊料金を考えることが大切なってきます。筆者が考える目的に合わせてコスパを最大化出来る料金(1名あたり1泊2食付)の目安を記しますので、参考にしてください。

  • ここ一番旅行:2.5万円~
  • のんびり旅行:1.5万円~
  • プチ旅行:1万円

金額の大小ではないとお伝えしましたが、大手資本(伊藤園グループ・大江戸温泉物語グループなど)は別ですが、どんな目的であったとしても食事付きの宿泊であれば、1万円未満の料金は控えた方が間違いありません。経営上、1万円未満ではパフォーマンスに限界があり、最低限のサービスレベルを維持する事が難しいラインになってきますので、コスパと言う意味でもおすすめ出来ません。

食事内容と食事場所

旅の最大の楽しみの1つは、なんと言ってもお食事かと思います。実際に旅行社や観光庁などのアンケートでも、旅行の楽しみとして一番に食事を上げられる方が多いです。ただ、期待値が高いが故に、食事によって残念な旅行になってしまったと言う方が多いのも事実です。ですから、ここも「かしこい宿選び」には、絶対欠かせないポイントの1つです。

食事内容のチェック

ご当地の食材を使っているのか?洋食なのか?和食なのか?食事内容のチェックは怠ってはいけません。多くのホテル旅館では「プラン」と言う形で予約を受け付けていますが、食事内容の違いをプランとしているケースが多いですので、プラン詳細をチェックするが一番良い方法です。また、口コミの食事評価を参考にするのも良いでしょう。しっかり調べて、ご自身の好みに合った食事内容で予約しましょう。もし、好みの内容が無ければ、お宿を変えると事も検討してください。それほど、重要な部分です。(口コミの見方も大切ですので、下記の記事も参考にしてください。)

参考記事: 【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

食事場所も大切なポイント

お食事会場は下記の3つに大別されます。

  • お部屋食
  • レストラン
  • ホール(バイキング会場)

こちらも目的や好みに合った会場での食事なのかどうか、事前の確認がマストな部分になります。特に夕食会場は、ミスマッチが起こりやすい所ですので注意が必要です。プラン内容や施設案内に記載が無ければ、直接お宿に問合せをして確実に確認しておきましょう。

設備(客室・温泉)

こちらはもはや何もお伝えしなくても、皆さん確実にチェックされている部分かと思いますが、当然重要なポイントです。設備については、掲載写真を見れば一目瞭然なのですが「かしこい宿選び」の為に、写真にプラスして絶対にチェックしておかなければならないポイントを2つご紹介します。

どんなに写真が綺麗に撮られていたとしても、設備は日々劣化してきていますので、現状が写真と同じ状況である保証はどこにもありません。ですので、下記の2つを必ずチェックしてください。

直近のリニューアル情報

リニューアルはお宿にとって最大のアピール要素ですので、最近リニューアルを行なっているお宿であれば、予約サイトの分かり易い部分に必ずリニューアル情報を記載してありますので、すぐに見つける事が出来ます。逆にリニューアル情報の記載が無ければ最近リニューアルが行なわれていない施設だと分かります。

口コミの「清潔感」評価

ただ、最近リニューアルをして新しくしていなかったとしても問題ありません。もっと大切なのは「清潔感」だからです。いくら温泉や客室などの設備を新しくしても毎日の清掃がしっかり行なわれていなければ、快適性は半減します。逆に例え設備が古くても、清掃が行き届いて清潔感がある方が快適性は高いものです。また、清掃状態でそのお宿のお客様をお迎えする姿勢を垣間見ることが出来ますので、ここもしっかりチェックしておきましょう。

まとめ

2回にわたって「かしこいお宿の選び方」についてお伝えしてきてお分かりになられたと思いますが、一番大切なのは、お宿を選ぶ前の「旅の目的」を決めることです。そこにご自身の好みをプラスして、ミスマッチのないお宿を選ぶ、これが一番の「かしこい宿の選び方」なのです。

そこが決まれば、あとは宿泊サイトなどでミスマッチを無くす為の正しい情報を得れば良いだけです。皆さんも是非この方法で、お宿を選んで楽しい旅行をお楽しみください。