【楽天トラベル】キャンセル料はいつから発生するの?無料期間や返金の仕組みも徹底解説

この記事では楽天トラベルで予約した際のキャンセル方法と、いつからキャンセル料が発生するのかをお伝えします。筆者の旅館にも「予約時に『クレジットカード支払い』をした場合はどうなるのか?」「返金はしてもらえるの?」「楽天トラベルからキャンセルが出来ない。」とのお問い合わせを数多くいただきますので、改めて楽天トラベルでの宿泊予約のキャンセルについて整理して、どこよりも詳しくまとめてみました。

参考ページ:【楽天トラベル】公式ヘルプ-国内宿泊予約-キャンセルと変更方法

参考記事:キャンセル後の再予約は「モッピー」を使ってお得度アップ

いつからキャンセルが発生するの??

キャンセル料の発生タイミングはとても多くの皆さんがお持ちの疑問かと思いますので、まずはこちらから丁寧にご説明させていただきます。

まず結論から申し上げると、楽天トラベルの予約の場合のキャンセル料の発生日はケースバイケースで、宿泊施設、プラン、日付によってすべて異なりますつまり、キャンセル料の有無を含め、すべて宿泊施設が個々に決めているのです。ですので、前はこうだったから大丈夫と思い込んでしまいキャンセル料が請求されてしまうケースも少なくありませんので、予約毎にしっかり確認する必要があります。

3つのキャンセルポリシー

楽天トラベルでプランを販売するにあたり、ホテル旅館は3つのキャンセルポリシーの設定が可能になっています。この宿泊施設が設定した3つのキャンセルポリシーによりキャンセル料の発生日が異なってきます。

①基本キャンセルポリシー

必ず設定しなければならないキャンセルポリシーで全ての予約に適用されます。(※ANA楽パック/JAL楽パックなどダイナミックパッケージには適用されません。詳細は後述)

②日毎キャンセルポリシー

宿泊施設が任意で日毎に設定出来るキャンセルポリシーで、設定した日だけに適用されます。近隣でお祭りやライブ、コンサートなどのイベントがあったり、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始など多くの予約が見込まれる場合などに、基本キャンセルポリシーより厳しい条件が設定される場合が多いです。

③プラン毎キャンセルポリシー

任意のプランに設定出来る基本ポリシーや日毎ポリシーと異なるキャンセルポリシーです。早割プランなど特別な条件でお得な宿泊を約束しているプランに設定されるケースが多いです。

3つのキャンセルポリシーの優先順位

複数のキャンセルポリシーが設定されている場合は【プラン毎>日毎>基本】の順で優先適用されます。細かくキャンセルポリシーの設定がありますが、上記の通り優先順位が決まっており適用されるのは1つです。ですので、予約画面では優先順位の高いキャンセルポリシーだけが表示されます。

【★重要★】キャンセルポリシーは予約毎に必ず確認する事!

基本キャンセルポリシーのみ設定されているお宿が圧倒的に多いのが現実ですが、後で思わぬトラブルとならないように予約毎に必ず確認する習慣をつけておくことを強くおすすめします。これは楽天トラベルに限らず、じゃらんnetや一休.comなど他の宿泊予約サイトからの予約からでも同様に予約毎に確認する事をおすすめします。

下の画像は違うホテルの予約画面の比較ですが、キャンセルポリシーが違っている事が分かると思います。

PCやアプリでの予約の場合でも予約完了のボタンの前(ページの最下部付近)に必ず分かりやすくキャンセル料が表示されていますので、流れで予約を完了せずにキャンセルポリシーを確認するようにしましょう。この表示期間以前にキャンセルした場合はキャンセル料金は無料という事になります。

また、筆者は以前、出張の予定が変わった際にホテルのキャンセルをし忘れてしまっていたことがあり、キャンセル料を支払った苦い経験があります(事前決済をしていたので「不泊」として100%カード引き落としとなりました)。それからは「Googleカレンダー」にキャンセルの発生日を予め入力しておくようにしており、その後は同じような失敗はしていません。その他にも「Yahoo!カレンダー」や「リマインダー」「Outlook」など無料で簡単に使える予定管理アプリがありますので、それらを使うのも良いでしょう。

ダイナミックパッケージのキャンセルポリシー

また、ANA楽パック/JAL楽パックなどダイナミックパッケージは、宿泊施設やプランなど問わず一律のキャンセルポリシーが設定されています。

①「ANA楽パック」のキャンセル料は55日前から発生する

別表などあって少し分かりにくいですが、旅行開始日からさかのぼって55日前から21日前までの間にキャンセルした場合は、旅行代金に関わらず1人当たり500円のキャンセル料が発生するという事で、20日前からは旅行代金の〇〇%と言う形になります。ダイナミックパッケージは宿だけの予約と異なり航空券もセットになっている為、「宿」「旅行会社(楽天)」「航空会社」の3社が関わるので複雑そうに見えますが、仕組みはともかく前記の太字部分を覚えておけば問題ありません。

取消日取消料(お一人)
旅行契約の締結時から旅行開始日の前日から起算してさかのぼって21日目にあたる日まで航空券取消料(別表)
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日目にあたる日から8日目にあたる日まで旅行代金の20%
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目にあたる日から日目にあたる日まで旅行代金の30%
旅行開始日の前日旅行代金の40%
旅行開始日の当日旅行代金の50%
旅行開始後または無連絡不参加旅行代金の100%
※「旅行開始後」とは、最初に航空機に搭乗する空港の「手荷物検査場」での検査が終了した時をいいます。

<別表>航空券取消料(個人包括旅行運賃)

取消日取消料(お一人/一区間)
旅行契約の締結時から旅行開始日の前日から起算してさかのぼって55日目にあたる日まで500円
利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって54日目にあたる日から21日目にあたる日まで2,000円
利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって20日目にあたる日から8日目にあたる日まで3,000円
利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって7日目にあたる日から前日まで6,000円
利用航空便搭乗当日(航空便出発前)9,000円

②「JAL楽パック」のキャンセル料は55日前から発生する

ANA同様に別表などあって少し分かりにくいですが、旅行開始日からさかのぼって55日前から21日前までの間にキャンセルした場合は、旅行代金に関わらず1人当たり500円のキャンセル料が発生するという事で、20日前からは旅行代金の〇〇%と言う形になります。「いずれか大きい額」と言う表現がありますが、ダイナミックパッケージは高額商品になる為、表Aの額が上回る事はほとんど無いと考えて問題ないと思いますので、仕組みはともかく前記の太字部分を覚えておけば問題ありません。

取消日(契約解除の期日)取消料
a) 旅行契約の締結日以降に解除する場合(b~fを除く)旅行契約解除時の航空券取消料(表A)の額
b)旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日~8日前まで旅行代金の20%又は旅行契約解除時の航空券取消料(表A)のいずれか大きい額
c)旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日~2日前まで旅行代金の30%又は旅行契約解除時の航空券取消料(表A)のいずれか大きい額
d)旅行開始日前日旅行代金の40%又は旅行契約解除時の航空券取消料(表A)のいずれか大きい額
e)旅行開始日当日(fを除く)旅行代金の50%又は旅行契約解除時の航空券取消料(表A)のいずれか大きい額
f)旅行開始後又は無連絡不参加旅行代金の100%

<表A> 航空券取消料

取り消し日時取消手数料(1区間)
搭乗予定日の55日前まで500円
搭乗予定日の54日前~21日前まで2,000円
搭乗予定日の20日前~8日前まで3,000円
搭乗予定日の 7日前~1日前まで6,000円
搭乗当日の予定便出発時刻まで9,000円

楽天トラベルの宿泊予約のキャンセル方法

なぜキャンセルが出来ないのか?

楽天トラベルで予約をされた方で「キャンセルが出来ない。」とお問い合わせをいただく方の多くが実は同じ理由でつまずいています。理由は単純に楽天トラベルのスマホ画面ではキャンセル操作をする場所が分かり難いからです。もしかすると、この記事を読まれている多くの方もここでつまづいているのかも知れません。ただ、一度キャンセルする場所さえ分かれば簡単にキャンセル出来ますので、操作方法をお伝えします。

楽天トラベルのキャンセル方法(操作方法)

まずは、楽天トラベルのトップページに右上にある「メニュー」をタップします。

その後「予約の確認・変更」を選択します。ここまでに「キャンセル」と言う文言が使われていない事が皆さんが分からなくなる一番大きな原因と思われます。(PC画面ではトップページの右上に「予約の確認・キャンセル」と表示され分かりやすくなっています)

>【楽天トラベル】トップページはこちら

すると、現在の予約内容が表示されますので、下部にある「キャンセル」を選択します。

予約詳細画面が表示されますので、内容を確認し最下部にある「キャンセル確認画面へ」をクリックします。この画面に該当予約のキャンセルポリシーが表示されていますので必ず確認するようにしましょう。

次の画面で「上記の内容でキャンセルする」をクリックすればキャンセル成立です。

この画面が表示されていれば基本的には問題ありません。

しかし、キャンセルをしたしないで宿泊施設と後でトラブルになるケースも稀にありますので「キャンセル確認メール」を送信して保管しておくことをおすすめします。

ここまで表示されていれば、万が一宿とトラブルになった場合でも明確な証明がメールに残りますのでより安心です。

楽天IDを持たずに予約された場合のキャンセル方法

楽天IDを持たない方がコールセンターを通じて予約された場合はコールセンターに電話してキャンセルを行なってください。楽天IDを持たずにネット予約をされた場合は、トップページの「予約確認・キャンセル」をクリックし、予約の際の確認メールにある「予約受付番号」と「確認キー」を入力しキャンセルを行なってください。

また、どんな予約形態をとった場合でも、お宿に直接電話してキャンセルしてもらう事は可能ですので、上記の方法を読まれてもどうしてもキャンセルが出来ない場合はお宿に電話してキャンセルしてもらうのが良いでしょう。しかし、電話の場合は、一定確率で言った言わないの問題が生じトラブルの原因になりますので、極力キャンセルはネット上で行なうことを推奨します。

予約の取り直しをする場合は、キャンセルより再予約が先

今予約しているプランよりも魅力的なプランが後から販売になっていた場合や、お目当ての宿が予約時には満室だったのに空室が出ていた等、予約を取り直す為に既存の予約をキャンセルする場合もありますが、その場合は先にお目当ての宿やプランで予約してから、キャンセル処理をするようにしましょう。

ネットでの宿泊予約情報は一部の例外を除いては、いつでも誰でも閲覧でき予約できる状態になっている為、いつそのプランや空室が無くなってしまうのか予約を確定させるまで確約出来ません。ですので、先に既存予約をキャンセルしてしまってから新しい予約をしようとしたら、もう販売さえていなかった、、、と言う事も良くある話です。予約の取り直しの為のキャンセルをされる場合は、必ず先に予約を完了してから行うようにしましょう。

>楽天トラベルでの予約の取り直しはこちら

事前にクレジットカード支払いをした予約のキャンセル料はどうなるのか

最近は予約時にクレジットカードで支払いをされる方が増えており、それに合わせてクレジットカード支払いをされた予約のキャンセルへのお問い合わせも増えています。

こちらも結論から申し上げると、事前に支払った宿泊料金はキャンセルポリシーにそって返金されますので安心してください。つまり、キャンセル料が発生する前のキャンセルであれば全額返金されます。キャンセル料が発生するタイミングであれば、キャンセル料が引かれた金額が返金される仕組みです。お金の流れは一番気になる部分かと思いますのでもう少し細かくご説明します。

事前クレジットカード支払い返金早見表

事前クレジットカード支払いの場合は、お使いのカード会社の締め日や予約のタイミングによって宿泊される前に口座から引落がある場合もありますので、そういったケースも含めて、楽天トラベルで事前クレジットカード精算をした場合のキャンセル料の流れを表にまとめました。

引き落としや返金は、楽天トラベルからではなく「予約時に使用したクレジットカード会社」を通じて行なわれますので、各クレジットカード会社の締日によりそのタイミングが異なります。筆者の経験ですと、返金までには1~2ヶ月程かかり少し不安になりますが必ず返金されますので安心していても大丈夫です。もしタイミングが気になる場合は、ご自身が使用されているカード会社へ問い合わせてみましょう。

キャンセル料は必ず支払わなければいけないの?

キャンセル料の支払いは宿泊者の義務ですので、法的には必ず支払わなければいけませんが、病気や怪我、地震に台風、近しい方に不幸があったり、自分の意志とは無関係にやむを得ずキャンセルをしなければいけない場合があるのも現実です。

しかし、キャンセルポリシーは契約で定められたものですが、実はホテル旅館の考え方次第で柔軟な対応をしてくれるところも少なくありません。実際に筆者の経営する旅館では不可抗力でのキャンセルの場合はキャンセル料はいただいていません。ですので、やむを得ずキャンセルをしなくてはいけない場合は、お宿さんに直接電話をしてキャンセルに至った経緯をお伝えする事をおすすめします。絶対ではありませんが、寛容な対応をとってくれるお宿さんも多いはずです。

ネットでキャンセル処理をしてしまうと、宿泊施設側は理由も一切分かりませんので間違いなく機械的な対応となってしまうでしょう。

参考記事:ホテル旅館のキャンセル料の仕組み。台風や大雪の場合はどうなるのか?

楽天スーパーSALEなど大型キャンペーンはいつも以上にキャンセル料に注意

楽天トラベルでスーパーSALEなどの大型キャンペーンで予約をした場合のキャンセルの扱いについては、楽天トラベルも公表していますが通常予約と何も変わりはありません。つまり、本記事でご説明させていただいている通りです。しかし、予約をする場合は、いつも以上に事前のキャンセル料の確認を徹底する事を強くおすすめします。

本記事でもご説明していますが、楽天トラベルのキャンセル料は宿泊施設が自由に決める事が出来ますので、格安などのメリット引き換えにキャンセルポリシーを通常より厳しくしている可能性が高いと言えます。極端な例を挙げれば、決済方法を事前カード決済として、予約成立の段階からキャンセル料が発生するという設定になっている事もありえるのです。

つまり、キャンセルポリシーを確認せずに予約をしてしまい、うっかり予約日が間違っていたのですぐに予約をとりなおそうとキャンセルをしたが、キャンセル料として全額が引き落とされてしまう、、、なんて事が普通に起こりえます。こうなってしまったらお金は絶対に戻ってきません。法的にも無理ですのでくれぐれも気を付けてください。

まとめ

  • 楽天トラベルのページからのキャンセル操作は、スマホでは少し分かりにくい
  • 難しい場合はお宿に直接電話してキャンセルするのも可
  • キャンセル料金は、宿泊施設、プラン、利用日、などによって異なる場合があるので、予約時に必ずチェックする
  • 予定管理アプリを使った「うっかり防止」がおすすめ
  • 事前クレジットカード支払いの場合、キャンセルポリシーに従って返金・引き落としが行なわれる
  • キャンセル料が発生する場合は、お宿に直接電話をして状況や理由を伝えると良いことがあるかも
  • 大型キャンペーンで予約する場合は、キャンセルポリシーの事前確認を絶対に忘れずに!

楽天トラベルでの予約のキャンセル方法や、事前にカード決済をされた場合の対応は、一度分かってしまうととてもシンプルな仕組みですし、確認するべきポイントも限られています。習慣化してしまえば、意識することもなく確認出来てしまうレベルですので皆さんも是非この仕組みを覚えてください。

また、キャンセル料の仕組みが良く分からない為に「もしキャンセルしなくてはならなくなった場合にも返金されないのではないか」と不安になって、事前のクレジットカード支払いを控える方も多くいらっしゃいますが、楽天トラベルの場合は事前クレジットカード支払いの方がポイントが貯まり易い仕組みになっています。キャンセル料の仕組みをこの記事でしっかり理解していただけた方は、事前カード決済でも現地決済でもどちらもリスクは変わらない事が分かったかと思いますので、積極的にカード決済を選ばれポイントをより多く貯めてください。

参考記事:キャンセル後の再予約は「モッピー」を使ってお得度アップ

楽天SPUの改定でポイントが溜まりにくくなったと感じている人におすすめのポイ活サービス「モッピー」
>【公式サイト】楽天トラベル | 宿・ホテル予約なら楽天トラベル

日帰り温泉の情報は要注意。失敗しない日帰り温泉情報の確認方法。

温泉旅館に宿泊しなくても気軽に温泉を楽しめるとあって人気の高い「日帰り温泉」。日帰り温泉、日帰り入浴、などのキーワードで検索すると、とても多くのポータルサイトや紹介ブログが表示され、日帰り温泉の人気の高さが伺えます。しかし、その人気に呼応して膨れ上がった情報によって、逆に残念な想いをされる方々が増加しています。中にはトラブルになるケースも増えてきています。

「日帰り温泉ランキングで上位だったのに、あまり良い温泉ではなかった。」「情報を見て行ったのにやっていなかった。」そんな事が頻繁に起こっているのです。スーパー銭湯のような形態の温泉であればあまり問題はないのですが、特にトラブルが多いのが温泉旅館のケースです。そこで今回は、日帰り温泉を楽しむ為の情報チェック方法と残念な想いをしない為の対策をお伝えします。

情報の発信元と情報の鮮度が重要

結論からお話しさせていただくと、日帰り温泉を取り扱っている個人が運営するブログの情報は当てにしない方が良いでしょう。すべてではありませんが、見極めが難しい為、すべて当てにしないと決めてしまった方が結果的に温泉選びの時間も短縮されますし、情報精度も上がりますので個人ブログはすべて当てにしない事をおすすめします。

個人ブログかどうかは、ページの3つの部分を確認するだけですぐ分かります。

  1. ページ上部に「運営会社名」や「サービス名」が記載されていない
  2. ページタイトルに「おすすめ」と「ランキング」を多用している
  3. Googleのアドセンスなどの広告が沢山表示される

確実ではありませんが、この3つの内2つを満たしているのであれば、ほぼ個人ブログです。では何故個人ブログを当てにしてはいけないのでしょう?それは、副収入が主たる目的で人気の高い「日帰り温泉」「おすすめ」「ランキング」といったキーワードをページに盛り込み表示数を増やしているだけだからです。ですので、実際の記事の内容は、大手サイトの類似コンテンツのコピペであったり、自身で確認も行なわず、お宿の承認も得ず、ランキングなどを掲載する事が非常に多いのです。ライターを雇って各地の情報だけを集め適当にランク付けし掲載しているケースも少なくありません。

そこで一番の問題は、一過性の収益を目的としている為、ページの更新が行なわれていない可能性が極めて高いことです。つまり、情報が古く、現実に即していないのです。ですので、その情報を当てにして訪れた温泉旅館で「日帰り温泉はやっていません」と言われてしまったりするトラブルが多発しているのです。また、温泉旅館は宿泊をメイン商品にしている場合が多く、日帰り温泉の受入を宿泊の予約状況により頻繁に変えていますので、そこもトラブルが発生し易い要因の1つなのです。

精度の高い日帰り温泉情報の確認方法

では、日帰り温泉の情報はどこから得て、どのように見極めれば良いのでしょう。この問題のクリアする為に筆者は、情報の収集と確認を2つに分ける、2ステップ法をおすすめします。

名の通ったポータルサイトで情報収集

まずは、誰もが知っているようなメジャーなポータルサイトで広く情報を確認し当たりをつけましょう。具体的には「じゃらんnet」や「楽天トラベル」、「 BIGLOBE 旅行」「@nifty温泉」なども良いでしょう。

ただ、ここで重要なのは「多くの情報の中から当たりをつける」だけで、内容確認は別だと言うことを意識してください。信頼性の高いサイト=多くの情報が集まっている場所、というイメージでOKです。その中から地域を絞って日帰り温泉を行なっているであろう温泉旅館の候補を見つけましょう。そして、自分の好みの温泉を3つほど絞り込みます。実はこの「行なっているであろう」が重要で、ポータルサイトに掲載されている情報でさえ、実は当てにならないのです。それは、先もお伝えした通り温泉旅館は宿泊がメインですので、日帰り温泉の受入情報は頻繁に変更しており、大手のポータルサイトでさえその個々の旅館の情報をタイムリーに変更することなど不可能なのです。

お宿に直接電話で確認

お宿の情報で一番鮮度が高い情報を確認出来る方法は電話です。旅館は他業界と比較しインターネットでの情報発信に疎い業界であったりしますので、公式ホームページでさえ情報を更新していないケースも少なくありません。ですので、必ず電話で確認してください。「いついつ日帰り温泉に行きたいのですが、大丈夫でしょうか?」それだけでOKです。そこで確認をしてOKであれば、晴れて日帰り温泉の予約をしましょう。温泉旅館の場合は、食事付きのプランと入浴のみの場合がありますので、そこも事前にチェックし予約をしましょう。

ここで大切なことが1つあります。それは、自分が検索して見つけた情報で日帰り温泉をやっていると書かれていたけれど、現在はやっていなかったとしても決して怒ったりクレームを言ってはいけません。それは、先通り多くの情報が旅館の意図とは無関係に公開された情報であり、しかも更新をされないままになった古い情報だからです。その為に電話で確認をしているのですから、クレームを言うのは筋が違いますし、お宿から「この方は情報リテラシーの低い方だな」と思われ、逆に恥ずかしい思いをしてしまいます。

>関連記事:【賢い宿選び】ホテル旅館の「オフィシャルサイト」があてにならない3つの理由

まとめ

日帰り温泉の情報はとても多くありますが、信憑性の高い情報は極めてわずかなのです。信頼の出来るサイトで情報を収集し当たりを付け、お宿に直接電話で確認をすることが残念な思いをしないで済む確実な方法です。少し手間はかかりますが、後々トラブルになったり残念な思いをするより良いですので、皆さんも是非行なってみてください。

また、例え以前同様の内容で日帰り温泉を利用したとしても、今回利用する際には変わってしまいっている可能性も少なくありませんので都度確認されることをおすすめします。

良い宿を選ぶ為の「ホテル・旅館ランキング」の正しい読み方

ホテルや旅館を選ぶ時に多くの皆さんが「ランキング」を参考にされると思います。現在は、インターネットや雑誌などでも様々なランキングが掲載されていて、一体どれを参考にしたら良いのか迷ってしまう程です。しかも、掲載されたランキングを見て宿泊予約をしたのに、あまり良い宿だと感じなかったと言う方も大変多く、筆者もその理由を聞かれることがとても多いです。

そこで今回は、満足度が高く良い宿を選ぶ為に、お宿ランキングの仕組みと、正しい読み方をお伝えします。

「ホテル・旅館ランキング」を参考にする前の大前提

各種ランキングは、沢山ある宿泊施設の中から高い評価を得ているホテル・旅館を絞り込んで確認する事が出来るので、非常に便利です。しかし、良いお宿に出会う為には、ランキング以上に大切な部分があります。

それは、そのお宿が「自分の好みや旅行の目的に合った宿」であるかどうかです。この大前提を踏まえた上でランキングを確認する事がとても大切です。ランキングは自分と宿泊施設以外の第3者の評価ですので、そこが宿を決定する1番の理由になってしまうと、当然高い満足度を得ることは出来難くなってしまいます。「誰かにとって良い物が、自分にとっても良い物。」などと言うことは絶対にありえないです。

つまり、ランキングを参考してお宿選びをする場合、「自分の好みや旅行の目的 >ランキング」である事が重要なポイントになるのです。

>参考記事:【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

ランキングの根拠を確認する

これはお宿選びに限った事ではありませんが、インターネット上には誤った情報が溢れています。悪意がある物もあれば、単純に間違っている物もあります。また最近は、情報自体が古くなってしまい現状とは異なっているケースも少なくありません。このような現状を踏まえて、下記2点を事前に確認することを強くおすすめします。

サイト管理者は「誰」なのか

まず誰が付けたランキングなのかを確認しましょう。信頼性の高い情報なのかどうか確認する為には、これが一番重要になってきます。簡単に言えば、匿名でプロフィールも曖昧な一個人のブログに掲載されたランキングよりも、誰もが知っている宿泊予約サイトが公表しているランキングの方が信頼度が高いと言うことです。「ページタイトル」や「ヘッダー」又は「フッター」に必ず記載がありますので、ランキングページに入ったら一番最初に確認することをおすすめします。

もしこれがすぐに確認出来ないようなページであれば、そのページのランキングは参考にならないと思って間違いありません。

「いつ」「どのように」集計をしたのか

ここも非常に需要なポイントですので、必ずチェックしましょう。「いつ」と言うのは「情報の鮮度」であり、「どのように」は根拠・信頼性です。古い情報は当てにならないですし、集計方法の記載がなければ本当に集計したのかさえ怪しいです。ランキングや集計は精度が命ですので、これを記載せずランキングを公開しているサイトがあったとしたら参考に値しないページだと断定出来るのです。

代表的な宿ランキングと解説

実際のランキングページをいくつか見てみましょう。

楽天トラベル「ホテル・旅館ランキング」

宿泊予約サイト最大手「楽天トラベル」が公表しているランキングです。「人気順」と「売れ筋順」の2種類のランキングがあり、人気順は実際に利用された方達の口コミ評価のランキングです。売れ筋順は、その名の通り売上が多い順のランキングですので、リアルな人気ランキングとなっています。

また、1ヶ月毎の集計にランキングが更新されますので、情報鮮度が高く、精度が高いのも嬉しいポイントです。信憑性や精度も高い非常におすすめのランキングです。

>【楽天トラベル】「ホテル・旅館ランキング」はこちら

楽天トラベル「マイトリップ」

こちらもパッと見で誰が公開しているランキングなのかが明確に分かります。しかも、どの期間を対象としたランキングなのかもすぐに確認出来ます。また、ページの下部にはどのように集計をしたのかも記されており、とても信憑性が高いランキングであると分かります。

また、集計期間や地域を絞ったランキングの他にも「貸切露天風呂が人気の宿ランキング」や「クリスマスに人気のホテル」、「看板犬ランキング」など様々な切り口でのランキングが掲載されており見ているだけでも楽しいサイトです。また「切り口=目的」ですので、宿選びにとって一番大切なポイントを踏まえたランキングなのも見逃せないポイントです。

しかも、何れのランキングも最大手の宿泊予約サイト「楽天トラベル」からの予約や口コミ評価を基準にしている為、精度の高いランキングだと言えます。

>【楽天トラベル】マイトリップはこちら

じゃらんnet「ユーザーが選んだ!クチコミ・売れ筋宿ランキング」

こちらも誰がどのように集計し公表しているのかが一目瞭然です。

じゃらんnetも国内最大手の宿泊予約サイトですので、その信頼性は抜群です。また利用者の口コミ評価のランキングだけではなく、楽天トラベル同様「売れた宿」と言う切り口は非常にリアルですし、客室数毎にランク付けされている為、公平性も高いランキングだと言えます。

じゃらんnet「ユーザーが選んだ!クチコミ・売れ筋宿ランキング」はこちら

プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選

観光業の業界紙「旅行新聞」が主催している伝統のあるランキングですが、時代遅れの感は否めません。旅行新聞に広告掲載している大型旅館がランキング上位に名を連ね、「お宿選びはお客様自身がする行為」であると言う立ち居地ではなく、「プロ」と称する業界人が選んだランキングですので、個人で旅行をする際の宿選びの参考としてはおすすめ出来ません。

逆に、団体旅行でのお宿選びには最適ですので参考にされると良いでしょう。また、こちらのランキングにも掲載され、楽天トラベルやじゃらんnetのランキングにも名前が掲載されているお宿であれば、違った角度で見ても良いサービスを行い安定した満足度を提供している証拠だと言えるでしょう。

人気温泉旅館ホテル250選

こちらは業界紙「観光経済新聞」が公表しているランキングです。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」と同様に旅行会社の社員など業界関係者が選んでいる為、一般のお客様目線では無いランキングと言えます。

まとめ(見極め)

お宿のランキングを正しく読み、自分の旅行の参考にするのであれば、自分と同じ立場の人達の評価が反映されたランキングを参考にした方が、有益な情報となり結果が良くなるのは当然です。

また、情報の精度は確率論から言っても集計される分母の大さきに影響されます。ですので、より多くの情報、ビッグデータに基づいたランキングを参考にするのが良いと言えます。この2つを満たしたランキングとして、筆者は先にも紹介した「楽天トラベル」と「じゃらんnet」のランキングをおすすめします。実際に利用されたお客様のでデータの集計結果であり、分母の数も他の予約サイトの比ではありません。

国内旅行のお宿選びでランキングを参考にするのであれば、まずは「自分の好みと目的」を明確にして、この2つのランキングを確認すれば間違いありません。

>参考記事:【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

>【楽天トラベル】マイトリップはこちら

やらせレビューの見分け方【ホテル旅館編】

日本では「口コミ」と呼ばれることも多いですが、 消費者が商品やサービスへの感想を投稿する「レビュー」。楽天市場やAmazon(アマゾン)に代表されるようなネット通販はもちろん、飲食店や美容室などの実店舗、近年では病院にもレビューがある時代です。それだけ多くの消費者が商品やサービスの購入に第3者の意見を参考にしているという事になりますが、それは商品の提供側から見ると、レビューや口コミによって収益が変わってくることを意味しており、販売数を伸ばす為にお金を支払い、良いレビューを書いてもらう「やらせレビュー」が増加し、NHKのクローズアップ現代でも取り上げられる程の社会問題となっています。

このような嘘の口コミ・やらせレビューは宿泊業界でも同じように発生しており、それを信じて宿泊し残念な思いをされる方が年々増加していると言われています。年に1度の家族や友人との温泉旅行、宿泊料金だって決して安くありません。その為に、じっくり時間をかけて口コミを読み比べて選んだ旅館。それがやらせレビューで、実際は全く違うサービスだったとしたら、、、今回は、そんな方が少しでも少なくなっていただけるよう温泉旅館を経営する中の人間として、やらせレビューやインチキを見極める為のポイントをお伝えします。

参考記事:【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

参考記事:【失敗しない宿選び】たった4つのコツであなたの宿選びが劇的に変わる!

そもそもレビューとは何なのかを理解する

レビューや口コミを読む前に、まずはそもそもレビューや口コミとは何なのかを正しく理解する必要があります。世の中にはさまざまな商品やサービスに対してのレビューが存在しますが、すべてに共通する大前提があります。それは「自分以外の誰かの主観的な意見」であるということです。

極端な言い方をすれば、99人の人が素晴らしいと感じた商品でも、それがあなたにとっても素晴らしい商品だという訳ではないという事です。口コミやレビューは不特定多数の主観の集まりで、自分自身の感性や好みとは異なる意見なのです。つまり、口コミは可能性の話であり絶対的なものではないという大前提の元に読む必要があるのです。もっと言えば、あなたが素晴らしい評価をされたレビューを参考にして商品を購入したが、レビューに書かれていたような満足度が無かったとしても、それがやらせレビューだと決めつけることは出来ないのです。何故なら、そのレビューを書いた方は実際にそのように感じていたかも知れないからです。

悪質なレビューは確かに存在します。しかし、それを見分ける大前提としてレビューは 「自分以外の誰かの主観的な意見である」という事をしっかり理解しておくことが何よりも大切なのです。

誰が書いたか分かるレビューを見る

ホテル旅館のレビューには大きく分けて、宿泊しないと投稿する事が出来ないレビューと、宿泊しなくても書けるレビューが存在します。前者は「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などの宿泊予約サイトの口コミです。私達宿側も投稿した方が、いつ宿泊された誰なのかを特定出来ます。後者は「トリップアドバイザー」に代表される口コミサイトとなり、こちらは実際に宿泊していなくても投稿する事が可能です。つまり、アカウントさえ持っていれば誰でも自由に書き込みが出来る仕組みなのです。

サイトの優劣や評価をするつもりは全くありませんが、トリップアドバイザーのように誰でも簡単にレビューが出来るシステムの方が、やらせレビューを書き易いのは事実です。また、自分が誰かを相手が特定出来る状態でなければ、偏った内容になってしまいがちですし、無責任な投稿である可能性も高まります。つまり 「楽天トラベル」や「じゃらんnet」などの宿泊予約サイト内のレビュー方が信頼度の高く、やらせレビューである可能性が低いと言えるのです。

参考記事:【失敗しない宿選び】国内予約は「楽天トラベル」と「じゃらんnet」だけチェックすればOK。

レビューの文字数を見る

やらせレビューは、「高い点数」と「これはいいね!」と言う内容が消費者に伝わればそれで目的は完了しますので、レビュー自体の文字数は少なくなる傾向にあります。やらせレビューライターの方も同じ報酬をもらうのであれば、文章は出来るだけ短く簡単に済ませたいと考えるはずですので、文字数は短くなると考えられます。一方、ホテル旅館に寄せられる本当の口コミは、実体験に基づいたものですので、その感動や思いを短い文章で綴ることはなかなか難しいものです。これは、良い内容であっても、悪い内容であっても同じで、思いの籠った文章はそんなに短く書けるものではありませんし、そもそも嘘の投稿をして稼ごうというような、周りの皆さんの不利益を考えない行動をするような人に思いの籠った長い文章など書けるはずがないのです。

本当のレビューであっても文章が短い場合がありますが、これは各宿泊予約サイトが行っている口コミキャンペーンに合わせて投稿をしているケースが考えられます。この時期にレビューを書いたら何ポイントプレゼントのようなイベントです。これは少し見分けがつきにくいですが、キャンペーンとして期間が限定されていますのでそこを意識してみると良いでしょう。具体的には、そのホテル旅館全体の口コミ投稿ペースを確認し、一定期間に集中して短い投稿がある場合は、本当のレビューですがポイント目当ての可能性が高いと判断することが出来るのです。

レビューの投稿タイミングを見る

これが一番分かりやすい見分け方かも知れません。ホテル旅館がどんな時に「やらせレビュー」を書いて欲しいと思うか考えれば、すぐに見分ける事が可能です。

答えは簡単です。それは「低いレビューが投稿された直後」です。レビューは通常新着順に表示されますので、低いレビューが投稿されると次のレビューが投稿されるまでの間、誰もが必ず見る1番上にそのレビューが表示され続けるのです。筆者も経験がありますが、低い口コミ評価のレビューが連続して投稿されると予約が急に入らなくなってしまいます。宿側からしてみたら、1日でも1分でも早く次の投稿が入って欲しいと切実に思います。そんな時、どんな行動をするのかで、そのお宿の姿勢が分かるわけですが、残念ながらこのようなタイミングでやらせレビューが書かれる事が多いのです。

つまり、連続した低評価のレビューの直後に、そのお宿の今までの平均評価を上回る高評価のレビューが複数入っていた場合は要注意です。今まで週に一個程度の投稿ペースにも関わらず、突然2~3日の間に良い投稿が立て続けにあった場合、筆者は「あー、やっちゃってるなぁ」と感じます。

まとめ

  • レビューとは何なのかを理解する
  • 誰が書いたか分かるレビューを見る
  • レビューの文字数を見る
  • レビューの投稿タイミングを見る

ホテル旅館の場合、最初の大前提を理解し、この3点をおさえておくだけで、やらせレビューに騙される可能性を激減させることが出来るはずです。最近はほとんどありませんが、以前は「良い投稿を書きます。」という営業メールが頻繁に送られてきた時期もありました。ただそれは、何れもwebサービスの会社からの営業メールでしたので、コンプライアンスの問題でそのサービスを廃止したと考えられます。しかし、現在は会社などの組織ではなく、様々なプラットフォームを媒体として店舗と個人が繋がり、このようなレビューが大量に投稿されるようになっており、闇は深まっているように感じます。中には、知人に依頼をして(共謀して)良いレビューを書いてもらったりなど手口は日々巧妙化しています。

これからは今以上に情報リテラシーの高さが求められる時代です。各専門家のハウトゥーなどを参考にしながら、自らのリテラシーを高めていく努力が何よりも大切になってくるでしょう。また、例え自身が騙されたと感じるような口コミがあったとしたなら、それを非難したり、自らを悲観するのではなく、その経験を自らの鑑識眼の糧として次からそうならないようリテラシーの向上に努めて行かなければ、騙し騙されのいたちごっこからは抜け出すことは出来ないのではないでしょうか。

参考記事:【失敗しない宿選び】たった4つのコツであなたの宿選びが劇的に変わる!

参考記事:【失敗しない宿選び】★の数だけで選ぶと失敗する!?口コミ・レビューの正しい読み方

OTAの登録数を増やしても売上も利益も上がらない3つの理由

私がインターネットで宿泊予約の販売を始めたのは2008年です。当時はまだ業界全体としてのインターネットの市場規模が小さく未成熟だった為、今では考えられないような販売方法が有効だと言われていました。例えば、当時は「宿泊プランの数と売上は比例する」と言われ、それを実践する事で面白いようにインターネットからの予約数が増えて行きました。しかし、現在ではとてもナンセンスな販売方法で、そんな事をしたら売上は急落し、利益も減少してしまいます。

ここ何年か「上司から売上を上げる為に販路を広げるよう指示を受け、OTAの登録数を増やしたのに売上が上がらない。」と言うネット担当者の方からアドバイスを求められるのですが、それは当たり前の事なのです。何故なら先ほどのプラン数の話と同じように、OTAの数を増やせば売上が上がる時代はとっくに終わっているからなのです。

今回は、現在そして近未来のインターネット事情と、新しいホテル旅館のネット販売のあり方をお伝えします。

情報を整理する時代に入っている

情報量が求められた時代

十年一昔。一昔前のインターネットの魅力は「情報量」にありました。知りたい内容がそこにある、「何でも検索すれば知ることが出来る」そこに最大の魅力があったのです。つまり、ホテルや旅館の宿泊プランも多ければ多いほど宿泊検討者にとってメリットがあったのです。今まで雑誌や旅行会社の企画パンフレットでしか宿泊商品を知ることが出来なかったのに、自宅で好きな時間に、しかも無料で様々な宿泊施設のプランが簡単に調べられるようになったのです。そして各ホテル旅館がホームページを持ち始めプランを販売を始めると、その増え続ける宿泊商品を調べやすく、そして比較しやすいように「ポータルサイト」が生まれます。それがOTAです。

OTAは宿泊業界の販売戦略を激変させました。ユーザーはその利便性と有益性から一気にOTAに流れ、そこに巨大な市場が生まれました。そして多くの宿泊施設が顧客を求めOTAに登録していきました。同時にプランも作れば作るだけ売れましたのでどんどん作り、宿泊に纏わる情報がネット上に爆発的に増えたのです。当時は、プラン数の増加は各OTAにとってSEOの優位性やサイト信用力の向上に繋がった為、OTAもプラン数を増やすこと推奨し、OTAの市場希望は拡大を続けています。ここまでは、多くの皆さんが体験してきた事ですので、体感としてお分かりになると思います。では、現在はどうでしょう。

情報は量から質へ

宿泊業界だけではなくインターネット全体の流れを見てみると分かり易いです。現在では多くのユーザーが情報の量より質を求める時代に入っています。様々な「まとめサイト」が生まれ、「メタサーチ」のように情報を整理し、比較するサービスが次々と現れているのは、多くのユーザーが膨大な情報量を自ら処理する事が出来ずにストレスと感じるようになっている証拠です。

現代は多くのユーザーが、情報はあって当たり前という認識に変わっており、その中から自身に必要な情報をだけを知りたいと望むようになっているのです。これは本人が認識しているかどうかは別にして、確実にそのような思考をされています。つまり、10年足らずで「数はスパム、質が宝」の時代に変わってしまっているのです。宿泊業界に例えれば、販路の数(OTA数)やプラン数はスパムになり始めているという事です。

Googleもユーザーへの利便性と有益性向上の為、そのような類似性が高くコピーコンテンツのようなページへの評価を下げてきていますので、遅かれ早かれそのような情報はユーザーの目に触れる機会も少なくなってくるでしょう。「その個人に必要且つ最適な情報を、より早くより分かりやすく」それがGoogleの考えかと思いますし、時代がそれを求めているのも事実だと思います。

売上や利益が上がらない3つの理由

では、上記のような社会の流れを前提として、何故登録するOTAを増やすと収益が上がらないかを見て行きましょう。

コンバージョン率(CVR)が低下する

先程も申し上げた通り、ユーザーの多くは過剰な情報をスパムとして認識しています。つまり、その中から自身が求めている情報や商品を選ぶ事が面倒くさいのです。

「最初に見たOTAだと15,000円だったものが、次のOTAでは20,000円で販売されている。この前、旅行社にあったパンフレットを見た時は18,000円。この価格差は何なのだろう?似たような名前のプランだけれど何か違うのだろうか?料理内容?特典?もしかしたら部屋が違うのかも知れない。」

これが1つの宿泊施設を決める中でお客様の頭の中で起っていることです。しかも、通常宿選びは複数の施設見比べながら行なわれているのです。複数のOTAや旅行社、A旅館とBホテル、○○プランと□□プラン、こんな宿選びは情報過多の現代社会においてストレス以外何ものでもありません。情報過多になると人は思考を停止します。つまり、その行為から離脱するのです。

掲載OTAを増やすという事は、類似性の高い情報をネット上に量産するということです。それは、多くのユーザーにとってストレスとなり、コンバージョン率、成約率を下げてしまう行為なのです。

上位表示が出来難くなる

OTAで売上を上げるポイントはいくつも存在しますが、一番インパクトが大きいのは「掲載順位」です。上位に表示されればされるだけ売上は上がります。しかも一度上位表示を実現すると、そこからは落ち難くなり、売上の時期変動も少なくなるメリットがあります。

OTAは検索順のロジックを公表していませんが、口コミや在庫提供数など様々な要因の中で上位表示に一番インパクトがあるのは「売上高(取扱額)」で間違いありません。取扱額を上げることで確実に表示順は上がって行きます。

下の図は、筆者が経営する温泉旅館の「じゃらんnet」のカルテです。筆者の旅館が所属するエリアには客室数が100室クラスの旅館が複数あり、温泉宿の総数も50~60件あります。その中で客室数が30室強の筆者の旅館が売上1位を続けています。大エリアには政令指定都市もあり、シティホテルやビジネスホテルも多数あります。しかし、その中でも上位に居続けています。事実、筆者の旅館は常に最上位表示されています。

右:エリア内「旅館」ランキング
左:エリア内「ホテル+旅館」ランキング

勘の良い方ならもうお分かりかと思いますが、登録OTA(販路)が増えるということは売上が分散することを意味します。つまり、上位表示が出来難くなるのです。

50室以上の事業規模が比較的大きいホテル旅館の場合は、各OTAの構成比率を検討する必要がありますが、それ以下の客室数の施設であれば、販売するOTAの数を絞り込み意図的に売上を集中させた方が、上位表示が叶えやすく、結果的に増収に繋がります。むやみに販路を広げ売上が分散すると、どのサイトも上位表示をさせることが出来ず、いつまで経っても売上は上がることは無いのです。

インターネットで売上を上げたいになら上位表示が必須であり、上位表示を実現したいのなら、売上を分散させずどこかのOTAに集中させることが必要なのです。

管理コストが増加する

多くのOTAに登録するという事は、その数に比例して管理コストが増えるという事です。「TLリンカーン」「ねっぱん!」「TEMAIRAZU」に代表されるようなサイトコントローラーで予約業務の軽減も可能になっていますが、使用しているPMS(管理システム)や会計ソフト等との相性等もありますので、すべての手間が一元化され取り除かれている訳ではありません。プラン設定から予約受付、各種変更対応から会計処理まで、販売から入金までの一連のプロセスの中では、サイトコントローラーで一括で行なえない部分も少なくありません。つまり、個々のサイトに個別でログインをして行なわなければならない業務も多く存在しているという事です。

例えば経理上、事前決済の内訳を確認したいと思った場合。2つのOTAで50件の実績があった場合は、2つのサイトにログインすればよいですが、10個のOTAで合計50件の実績があった場合は、10回ログインを行いそれぞれ異なった管理画面で情報を確認する必要があります。あるOTAでその月にたった1件しか予約が無かった場合でも同じ工程を踏まなければならないのです。

上記は経理部門で一例ですが、OTA毎の企画やキャンペーンに合わせた特典などを設ける場合は、客室セットやフロント対応など、その都度業務が増加します。もっと言えば、人的な業務が増えると一定確率でミスが発生しますので、顧客満足度の低下にも繋がります。当然その先には、もれなくクレーム対応やリピート率低下というおまけ付きです。つまり、知らず知らずの内に利益が圧迫されているのです。

まとめ

観光産業は成長産業と言われて久しいですが、多くのホテル旅館の経営状況は決して良い状況ではありません。売上を上げ、利益を生み出すにはそれ相応の努力が必要になります。しかし、根拠の無い努力は疲弊や不幸を生み出しますが、売上や利益を生むことは決してありません。その努力を結果に繋げる為には、時代に即した方法・方向で努力を重ねる必要があるのです。

マーケッターの神田正典氏は、時代の流れを「エスカレーター」に例えています。上りのエスカレーターの乗っていれば、努力をしなくても勝手に上がる事が出来るが、下りのエスカレーターに乗ってしまうと、どんなに駆け上がっても上に上ることは出来ないと言う意味です。業界や商品に限らず、時代の流れを捉え、そこに合った戦略を選択しなければ、どんなに努力を重ねても収益を向上させることは不可能なのです。

私達はOTAに限らず、今がどんな時代であり、社会がどんな未来に向かっているのかを理解した戦略を立てなければ、収益の向上は夢のまた夢なのです。また、それを夢で終わらせない為には、日々学びと気づきを重ね、実践を繰り返していく他に方法は無いと筆者は考えます。

災害などによる通行止や運転見合わせ。旅行先の状況を適切に確認する為の2つのポイント

旅行計画を立てていた地域に、台風や大雪または地震などの自然災害が発生し、旅行を中止しなくてはならない場合があります。旅行は「安全」であると言うことが大前提ですので、ご自身が安全だと判断出来なければ出かけるべきではありません。そこで重要になるのが「情報」です。旅行先の状況はもちろん、交通機関や経由地の道路状況なども含めて総合的に安全を確認する必要があります。今回は旅行先の安全を確認する為の方法をまとめてみました。

関連記事:ホテル旅館のキャンセル料の仕組み。台風や大雪の場合はどうなるのか?

確認するべき2つのポイント

台風や大雨、大雪など気象に関わるものは、事前に天気予報やウェザーニュースで確認する事が出来ます。これは旅行計画の有り無しに関わらず、皆さんが日常的に行なっている行動だと思いますが、旅行を計画されている方は該当日前後の天気を週間天気予報を見ながらより念入りにチェックされるはずです。そして、旅行日に「台風が直撃する」「寒波によって大雪が予想されている」となった場合には情報確認をしっかり行い旅行へ行くかどうかを判断しなければなりません。また、台風や大雪・地震の2~3日後に旅行に行く場合でも、どのような状況になったのか情報確認をしておくことをおすすめします。

では、具体的にどのように確認するのが良いか見てみましょう。

「目的地」の状況を確認する方法

現地の状況は「現地」に問合せするのが一番です。具体的には、ホテルや旅館などの宿泊施設に問い合わせるのが良いでしょう。お宿の公式ホームページをチェックするのも良いですが、電話をかけて確認するのが一番確実です。お宿は自らの状況は当然把握していますが、そこで働くスタッフの方が周辺地域から通われていますので、お宿を中心としてある程度広範囲の生活圏の状況を確認出来ているはずです。ですので、宿泊が伴う旅行を予定されている場合、現地の状況はお宿に電話で確認するのが確実です。また、メールでの問い合わせは控えましょう。大型のホテル旅館であればメール対応の選任者がいますが、多くの宿泊施設では様々な業務を兼務していますのでメール返信には時間を要するケースが多く、タイムリーな情報が得られない可能性があるからです。

事前に、NHKの地域災害情報ページで旅行を計画している地域の情報を確認しておくこともおすすめです。

NHK各地域災害情報はこちら
NHK NEWS WEBはこちら

また、問い合わせの際に一番重要なのは「安全の判断をするのはお宿ではない」ということを理解しておくことです。お宿に確認するべきは「周辺の状況」であり、「安全の判断」ではありません。お宿から状況を確認し、後述するその他の情報と合わせて自ら安全を判断していきましょう。

「交通機関」「経由地」の状況を確認する方法

目的地が点であれば、道路や各種交通機関は線です。目的地に問題が無くても、経路で災害が発生していては目的地に向かうことが出来ません。災害状況は目的地だけでなく、経路や交通機関の運行状況もセットで確認しておく必要があります。

ここで重要なのが「問い合わせ先」です。これは非常に良くあるケースですが、交通機関の運行状況や道路状況を宿泊予定のホテルや旅館に問い合わせされる方が多くいらっしゃいます。しかし、宿泊施設はそれぞれのお客様が「どこから」「どんな交通手段」でお越しになられるのか把握していません。しかも、その様々な交通経路の状況をタイムリー且つ正確に確認する術がない為、はっきりした答えを得ることは出来ないのです。先にもお伝えしましたが、お宿は近隣の情報は把握出来ますが、それぞれお客様が住まわれている所からお宿までの道路状況や公共交通機関の情報をすべて把握することなど出来る訳がないのです。

宿泊施設には、最寄のインターチェンジや最寄駅までなど、リアルに確認がとれているであろう正確な状況を確認し、そこまでの経路については自ら調べるのが良いでしょう。親切なお宿であれば、電話先でインターネットで調べて知りえる情報を教えてくれる場合もあるかも知れませんが、お宿も情報をインターネットやメディアで調べる以外に方法がありませんので、わざわざ電話をして調べてもらうくらいであれば、自ら調べた方が電話代もかからず早く正確な情報を確認することが出来るはずです。

道路・公共交通機関の情報確認先一覧

旅行先に向かうには、一般道に高速道路、電車や航空機などさまざまな手段がありますが、日本国内の道路や公共交通機関の運航状況を確認出来るページへのリンクをまとめましたのでご使用ください。

公共交通機関は主に目的地周辺まで向かう「一次交通」の確認先となっていますが、私鉄や路線バスなど目的地に近い「二次交通」については、宿泊先が状況を把握している可能性も高いですので、電話で問い合わせてみるのも良いでしょう。また、お宿が状況を把握出来ていない場合は、地元の交通機関運営会社名(○○交通など)を確認して、社名検索を行ない直接確認しましょう。

日本道路交通情報センター

JATIC 災害時情報提供サービス

NEXCO(ネクスコ)

NEXCO東日本

新着情報はこちら
ドライブトラフィックはこちら

NEXCO中日本

中日本ハイウェイ交通情報 はこちら

NEXCO西日本

リアルタイム交通情報 はこちら

JRグループ

JR北海道

JR北海道:列車運行情報

JR東日本

JR東日本:運行情報・運休情報・遅延証明書

JR東海

JR東海:東海道・山陽新幹線運行状況
JR東海:在来線運行状況

JR西日本

JR西日本:列車運行状況

JR四国

JR四国:列車運行情報

JR九州

JR九州:運行情報

航空会社

日本航空グループ

JAL:運航状況のご案内
ジェイエア:時刻表
日本エアコミューター:運航状況のご案内
日本トランスオーシャン航空:運航状況のご案内
北海道エアシステム:運航状況
琉球エアーコミューター:お問い合わせ

ANAホールディングス

ANA:国内線・国際線の運航状況や発着案内
エアージャパン:運賃・時刻表・予約・お問合せ
ANAウイングス

エアアジア・ジャパン

エアアジア・ジャパン:運行状況検索

ジェットスター・ジャパン

ジェットスター・ジャパン:大幅な遅延・欠航時の対応について

春秋航空日本

春秋航空日本:飛行機運航状況,航空機の飛行状況のリアルタイム検索

スターフライヤー

スターフライヤー:運航状況のご案内

ピーチ・アビエーション

ピーチ・アビエーション:運航状況のご案内

バニラ・エア

バニラ・エア:運航状況

アイベックスエアラインズ

アイベックスエアラインズ:運航情報

天草エアライン

天草エアライン:運航状況

エア・ドゥ

エア・ドゥ:発着案内/運航の見通し

オリエンタルエアブリッジ

オリエンタルエアブリッジ:お問い合わせ

スカイマーク

スカイマーク:発着案内・運航状況

ソラシドエア

ソラシドエア:運航状況・運航の見通し

フジドリームエアラインズ

フジドリームエアラインズ:運航情報

新中央航空

新中央航空:運航状況

新日本航空

新日本航空:お問い合わせ

東邦航空

東邦航空:運航状況

まとめ

まずは何より、旅行は安全が第一です。昔、学校の先生に「家に帰るまでが遠足です。」と言われたものですが、旅行も同じく、安全に家に帰るまでが旅行なのです。何ヶ月も前から予定を立てて楽しみにしていた旅行が、地震や台風などの自然災害で行けなくなってしまうのは大変寂しく残念なことです。しかし、安全が確認出来ないのに無理をして旅行に行くのは絶対に控えた方が良いです。逆に、しっかりと情報収集をして安全確認をせずに「なんとなく危なそうだから」と決めつけて、旅行を止めてしまうのも非常にもったいないと思います。

「目的地」と「交通機関・経由地」、この情報を適切な方法で確認して、安全で楽しい旅行へお出かけください。

関連記事:ホテル旅館のキャンセル料の仕組み。台風や大雪の場合はどうなるのか?

進むお宿の「専門店化」。専門宿の魅力と高い満足度の秘密

ホテル旅館の専門店化が進んでいます。様々な業界で当たり前となってきた専門店化。飲食業界などでは「タピオカ専門店」や「食パン専門店」など本当に多くの専門店が存在していますが、今、宿泊業界でも○○専門旅館や△△専門ホテルなどの専門宿が多く現れてきているのです。

満足度の高い旅行の為には「旅の目的を明確にすること」がマストですので、お宿の専門店化は、お客様とお宿のミスマッチを減らすことに繋がり、非常に良い傾向だと思います。今回は、実際に筆者も宿泊したことのある専門宿も含めてその魅力と高い満足度の秘密をお伝えします。

専門宿の魅力

専門宿の魅力は、何と言っても自身が求めているサービスを確実且つ高いレベルで提供してくれる事でしょう。

どんなにホームページが丁寧に作られているお宿でも、予約を検討している段階でそのページに記載された内容をすべて確認することは不可能だと思います。実際に筆者の経営する温泉旅館にお問合せをいただくご質問の6割~7割は、ホームページに記載がある内容です。表記の仕方にも問題があるかとは思いますが、限られた時間の中で、多くの情報の中からその内容を見つけ出すのは難しいのが現実かと思います。また、予約を検討している段階では複数のホテル旅館のページを回遊しながら比較していきますので、さらに情報を見つけ出すのは困難になります。しかし、専門宿の場合はどうでしょう。専門宿は特定のサービス内容に対して専門化を行なっている為、自身の目的を多くの情報の中から見つけ出す必要がなくなるのです。つまり、情報収集の段階で確実に自身の目的にあったお宿を特定することが可能になる為、高い満足度が得やすくなるのです。

また、専門宿は特定のサービスにすべての経営リソースを投入出来る為、高いレベルのサービスが期待出来ます。あれもこれもではなく、専門分野に特化し、その他のサービスを行なわず経費も抑えていますので、結果的にコストパフォーマンスが非常に高いお宿となります。余計なサービスがあれこれついて高い宿泊代金になってしまうより、本当に必要なサービスだけを安価で提供してくれるお宿を好む方がかなり増えて来ているのも現実で、そのニーズにも専門宿はマッチしているのです。

専門宿を見てみよう

それでは、実際に専門宿を見て行きましょう。

【お二人様専門】湯の沢温泉 時の宿すみれ

湯の沢温泉 時の宿すみれ

こちらは山形県にある「お二人様専門」のお宿で、筆者も宿泊させていただいた事のあるお宿です。「2名専門」となっていますので、とにかく静かにゆっくりと寛ぐ事が出来るお宿です。グループのお客様もお子様連れもいない為、館内はとても落ち着いた時間が流れています。また2名利用でのニーズが高い貸切風呂も2つあり予約無しで無料で使用出来ますが、全10室のお宿ですので、ほぼ希望の時間に使うことが出来ます。また、米沢牛の老舗販売店「牛黄木」の系列店とあって最上級の米沢牛がとれもリーズナブルに食べれるのも魅力です。

→「湯の沢温泉 時の宿すみれ」の詳細・ご予約はこちら

【ペット専門】ペットと泊まれる貸切天然温泉の宿 マーフィ

ペットと泊まれる貸切天然温泉の宿 マーフィ

静岡県の伊東温泉にあるこちらのお宿は「ペットと一緒に優しい思い出をつむぐペット温泉宿」というキャッチコピーの通り「ペット専門」のお宿です。ペットアメニティやマナーウェアを無料で用意していたり、希望をすればペットも天然温泉を楽しめるよう専用のバスタブまで準備してくれる拘りよう。もちろん、食事はダイニングでペットも一緒に食べる事が可能です。ホームページには初めてのペット旅をサポートするページも用意されており、正にペットと一緒に温泉旅行を楽しむ為のお宿です。

→「ペットと泊まれる貸切天然温泉の宿 マーフィ」の詳細・ご予約はこちら

【女性専用】女性専用の町宿 ランタン鎌倉

女性専用の町宿 ランタン鎌倉

「ランタン鎌倉」は、鎌倉の町を楽しみたい女性専用の小さなお宿です。女性専用とあってアメニティの充実はもちろん、リビングスペースや食器類などの設えもお洒落です。その飾ることのない雰囲気は、古都鎌倉散策を楽しみたい女性にぴったりです。1日2組限定ですが、一棟貸切も出来るそうなので女子グループでちょっと贅沢にお泊りすることも可能です。

→「女性専用の町宿 ランタン鎌倉」の詳細・ご予約はこちら

まとめ

今回は3つの専門宿をご紹介しましたが、その他にも「ファミリー専門」など利用形態を専門にしたお宿や、「あわび専門」「金目鯛専門」など食材に特化したお宿など、さまざまな専門宿が登場してきています。

皆さんも是非「旅の目的」を明確にして、その目的にあった専門宿を探してみてください。きっと素晴らしいお宿にめぐり合い、満足度の高い旅行を楽しむことが出来るでしょう。

関連記事:【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

関連記事:【応用編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。必ずチェックするべき5つのポイント

ホテル旅館のキャンセル料の仕組み。緊急事態宣言発令、台風や大雪などの場合はどうなるのか?

ホテルや旅館のキャンセル料については、その存在は知っていても良く分からない方も多いかと思います。巨大台風などの異常気象や不慮の事故、または親族に不幸があった、最近では新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の発令など、不可抗力によるキャンセルでもキャンセル料は発生するのでしょうか?今回はホテル旅館のキャンセル料の仕組みから、もしキャンセルせざるをえなくなった場合の対応方法まで、順を追ってお教えします。

参考記事:キャンセル後の再予約は「モッピー」を使ってお得度アップ

ホテル旅館のキャンセル料とは

まずは宿泊施設のキャンセル料について理解しましょう。少し難しい話になりますが、そもそも「宿泊予約」とは宿泊施設と利用客の間で結ばれる「契約」であり、その内容は宿泊施設毎に定められた「宿泊約款」に記されています。宿泊予約とは、対価を支払って特定の日に宿泊することができる権利を得る行為であって、利用客は宿泊施設に対しその契約を申し込み、 宿泊施設がこの申し込みを承諾することで契約成立となります。この契約は、直接電話で申し込んでも宿泊予約サイトで予約しても同じく適用されます。(旅行会社で予約した場合は、利用客は旅行会社と旅行業契約を結びます。)

キャンセル料はその宿泊約款に記された「宿泊客の責任-違約金」として必ず記載がありますので、利用客は宿泊予約をした時点でキャンセル料を支払う義務が発生することになります。またキャンセル料やキャンセルポリシーは、同じ宿泊施設の予約であっても、楽天トラベルやじゃらんnetなどの宿泊予約サイトによって異なっている場合もありますし、プラン毎に異なっているケースまでありますので必ず事前に確認しておくことをおすすめします。

宿泊約款:違約金記載例
楽天トラベル:キャンセルポリシー記載例

キャンセル料は何の為にあるのか?

では、ホテル旅館は何故キャンセル料を設けているのでしょうか。次はその理由について考えて見ましょう。宿泊約款の内容はホテル旅館によって様々ですが、宿泊施設がキャンセル料を定めている理由は、大きく分けて2つあります。

  1. 販売機会の損失に対する補償
  2. すでに発生した原価の補償

利用客が宿泊予約をした時点で、ホテル旅館はそのお客様が宿泊する客室をおさえます。そして、利用日までその客室の販売を止める形となりますので、仮にその他の方から該当客室を利用したいと申し出があっても予約を受ける事が出来ずお断りすることになります。キャンセル料とは「その予約が無ければ販売する事が可能だった」という前提に基づき、その補償として設定されているのです。その為、利用日に近くなればなるほど、販売機会の損失期間が長かった事になりますし、再販出来る可能性も減少してしまう為、キャンセル料は高くなるのです。

次は原価の補償になります。宿泊施設はその予約内容に応じて事前準備を進めていますので、キャンセルが発生した時点ですでに仕入れが発生している物も当然存在します。その補償としてもキャンセル料は使用されます。食事が伴う予約の場合、特に鮮魚や生鮮食品など保存が効かないものを扱っている場合は、その食材を破棄せざるをえない為、補償目的としてキャンセル料が設定されています。ですので、1泊2食付が主体の温泉旅館の方が、ビジネスホテルなどと比較するとキャンセルポリシーが厳しくなっているケースが多いのです。

現在のキャンセル事情

昨今はインターネット予約の増加に伴い、キャンセル数も増加しています。以前はキャンセルを行なう時は電話などで直接宿に連絡をして「人」にその旨を伝えなければなりませんでした。しかし、インターネットではクリックだけで簡単にキャンセルが出来てしまいますし、罪悪感も少ない為、キャンセルが増えているのです。予約が簡単になった分、キャンセルも簡単になっているのです。

キャンセルの理由は「予定が変更になってしまった」「都合が悪くなってしまった」など人それぞれですが、悪質なキャンセルが増えているのも現実です。同じ日に複数のホテル旅館を予約したり、同一の旅館に複数日予約を入れたり、自身の都合だけで宿泊施設や周りの方の迷惑を考えない人も増えています。しかも、そういった方に限ってキャンセルポリーを細かくチェックし、キャンセル料が発生するギリギリのタイミングで一気にキャンセルをされるのです。契約上は全く問題ないのですが倫理観が疑われます。

また、外国人旅行客の増加に伴いキャンセルも増えています。ホテル旅館側の一般的な認識では「外国人はキャンセルにルーズで、どうせキャンセル料を請求されないと思っているから平気でキャンセルする」という考えが主流ですが、私はそうは思いません。私は予約サイトのUI(ユーザーインターフェイス)や操作性に問題があると考えています。楽天トラベルやじゃらんnetなど日本の宿泊予約サイトはとても親切な作りになっていますが、海外の宿泊予約サイトはとても分かり難い作りになっていると感じています。中には予約が成立しているかどうかも分からないような物も少なくありません。つまり、予約をしたと本人が気づかずノーショー(無連絡キャンセル)となっているケースも少なくないと考えています。

様々な理由により、ホテル旅館でのキャンセル件数は増加しているのです。

【仮予約はNG】絶対にやってはいけないホテル旅館の予約方法を徹底解説

キャンセル料は払わなければいけないのか?

正解はYESです。先にもご説明した通り宿泊予約は契約なのです。契約している以上、どんな理由であったとしてもキャンセル料の支払い義務があります。仮に支払いを拒否したとしても、ホテル旅館側が訴訟を起こせば民事訴訟となり法廷で争う形となります。また、実際に裁判が行なわれた場合でも、支払わないということ自体が契約の不履行にあたりますので、ホテル旅館側が極めて有利になります。

しかし、長年宿泊業界にいる私でもキャンセル料の支払いで訴訟を起こしたと言う話は聞いたことがありませんし、裁判にはかなりの手間がかかりますので、数万円程度の金額に対して訴訟を起こすという事は賢明な判断ではないのかも知れません。

だからと言ってキャンセル料を踏み倒して良いというわけではありませんし、人としての在り方が問われます。また、悲しい現実ではありますが、そういった心無い方が増加している為、事前カード決済を必須にしたり前受け金(デポジット)を求めるホテル旅館も増えてきています。先の通り、さまざまな要因からキャンセル数も増加傾向ですので、ホテル旅館は売上や利益を確保する為にキャンセルポリーを厳しくすると同時に、予約時点で回収を確実なものにする為の動きを強めているのです。一部の心無い方の為に、宿泊予約も簡単に出来ない不便な世の中になりつつあるのです。

新型コロナウィルスの拡大、台風や大雪などの自然災害、親族の不幸など、不可抗力でのキャンセルは免責されるケースもある

キャンセルの理由はさまざまですが、お客様の責任ではどうにもならない事態でキャンセルをせざるをえないケースも多く存在します。では、その場合キャンセル料はどうなるのでしょうか。

基本的な考え方としては、宿泊予約は契約ですのでキャンセル料の支払い義務は存在します。しかし、日本のホテル旅館では決してその限りではなく、柔軟な対応をされる宿泊施設も少なくありません。仮にインターネットから予約をしていたとしても、直接電話をして内容を説明することでキャンセル料をいただかないと言ってくれるホテル旅館も多いのです。事実、私の経営する温泉旅館でも悪質なキャンセル以外は、キャンセル料はいただいていません。自身の旅館に宿泊されることを楽しみにしてくれていた方が、本人がどうしようも無い理由でキャンセルしなければならなくなったのです。残念な思いをされている方に「キャンセル料をいただきます」とは、なかなか言えません。また先の通り心無い方が増えている現代ですので、きちんと誠意を持ってお電話いただけることを逆に喜びだと感じますので「またご機会があったらご利用をご検討ください」とお伝えさせていただいています。そういった方の多くが後日「あの時キャンセルしてご迷惑をおかけしました」と改めて宿泊していただいています。

契約も大切ですが、もっと大切なのは利用客と宿泊施設の信頼関係なのです。キャンセル料が発生するタイミングでキャンセルをしなければならなくなった場合は、素直に誠意をもってその理由を電話でお伝えすることをおすすめします。必ずそうとは限りませんが「キャンセル料は結構です」と言っていただけるケースも少なくないはずです。

「事前決済」「オンラインカード決済」をしていた場合のキャンセル料はどうなるのか?

宿泊予約サイトで予約時にカード決済をした場合についてお伝えします。楽天トラベルやじゃらんnetでは、予約時にクレジットカードで支払いを済ませてしまうことが可能です。その場合、宿泊代はすでに支払っていますのでキャンセルになった場合は「キャンセル料を差し引いた金額」が返金されます。

これは厳密に言うと、利用客が使用したカード会社の締め日によって2つのケースがあり、1つは先の通り、キャンセル料を差し引いた金額が返金になる場合。もう1つは、クレジットカードの締め日前にキャンセルをした場合で、この場合はキャンセル料がそのまま引き落とされます。

ここで重要なポイントが1つあります。それは、上記の何れの場合もホテル旅館側がキャンセル料の支払いを免除することが出来るという事です。楽天トラベルでもじゃらんnetでも同様で、宿泊施設は管理画面から「キャンセル料を0円にする」ことがシステム上可能なのです。つまり、インターネットでそのままキャンセルをすると、キャンセルポリシーに準じたキャンセル料が自動で発生しますが、直接宿にキャンセル連絡をすることで、キャンセル料はその限りではないと言うことです。

【楽天トラベル】キャンセル料はいつから発生するの?仕組みも徹底解説
【じゃらんnet】キャンセル料はいつから発生するの?仕組みも徹底解説

まとめ

  • 宿泊予約をした時点でキャンセル料の支払い義務が発生する
  • キャンセル料は宿泊施設への補償
  • キャンセル料は必ず支払うべき
  • 不可抗力でのキャンセルは免責されるケースもある

今回はホテル旅館のキャンセル料とは何なのかをご説明しましたが、どんな時代になったとしても一番大切であり守るべきは契約ではなく「利用客と宿泊施設の信頼関係」だと私は考えてますし、同様の考えをもった業界関係者も沢山いらっしゃいます。キャンセルをしなくてはならなくなった場合、まずはお宿に直接連絡を入れて正直にその理由をお伝えすることを強くおすすめします。また、台風などキャンセルになってしまう可能性が事前に分かるような場合は、その段階でお宿に相談をしてみるのも良いでしょう。

近年はキャンセル料の請求が怖くて予約が出来ないという方も多いと聞いたこともありますが、もしそのような事態が起ったとしても誠意をもった対応をすれば、お宿から無下にされることは少ないのではないでしょうか。また、そういうお客様が増えることで柔軟な対応をしてくれるホテル旅館も増えてくるでしょう。

参考記事:キャンセル後の再予約は「モッピー」を使ってお得度アップ

【旅館のマナー】予約時に言ってはいけない3つの言葉

ホテル旅館で満足度の高い宿泊をする為には「目的にあった宿選び」をする事が何よりも大切である事は、このブログでも何度も紹介させていただきました。しかし、せっかく目的に合った宿を選んだにも関わらず、予約の際にある3つの言葉を言ってしまった為に、満足度を急落させてしまうケースがあります。しかも、旅館に勤めていると高頻度でこの言葉に出会うことがあります。

結論から申し上げれば、その3つの言葉はホテル旅館のスタッフがとても嫌がる言葉で、モチベーションが著しく下がる言葉なのです。皆さんも言っていないか是非チェックしてみてください。

「直接の予約だから値引き出来ないの?」

これは宿泊施設の予約に関する内容を少しだけ知っている方が良く使う言葉です。ホテルや旅館は、旅行会社や宿泊予約サイトから予約をもらうと、送客手数料やシステム利用料などという形で、予約金額に応じたリベートを支払いします。旅行会社経由の場合は15%、宿泊予約サイトの場合は10%がリベートの相場です。

「直接の予約だから値引き出来ないの?」と言う言葉は、この仕組みを知っている方が、お宿に直接電話予約をする場合や、公式サイトから予約をされた時に使われます。「自分は内情を知っているんだぞ」と言う上から目線の交渉術なのかと思われますが、その発言をしたからと言って割引がされることはほとんどありませんし、とても恥ずかしい行為ですのでしない方が良いでしょう。

物販での卸業者と同じように、一定のボリュームで送客を行なってもらえるからこそ、同一価格で販売しても手数料をお支払いしているのです。リベートは販売代行・営業代行に対しての対価であり、宿泊施設は直接販売行なうことでかかる内部経費とのバランスを計算して最終的な販売価格を設定しているのです。つまり、お宿のスタッフから見れば「直接の予約だから値引き出来ないの?」と言う言葉を使う方は、知ったかぶりの面倒くさい人でしかないのです。

また、仮にこの言葉で値引きが叶った宿泊施設があったとすれば、よほど集客に困っている(=サービスレベルが低い)か、実際に宿泊をされる際に料理の質などを下げられている可能性がありますので、逆に要注意です。

「○○旅館はしてくれたのに、あなたのところはしてくれないの?」

これを聞いたお宿の方はどう思うでしょう。正解は「だったら、○○旅館に行けばいいじゃん」です。99%の方がそう感じていますので、もはやこの発言をされた方に精一杯のサービスをする気持ちには誰もなれないのです。

この言葉も一つの交渉術なのかも知れませんが、極めて稚拙です。それぞれのお宿は個性を磨き、いかに他の施設と差別化を行なっていくか必至になっています。お宿独自の個性を磨き、その個性的なサービスをお客様の旅の目的とマッチさせることで満足度を高めようとしているのです。そうする事が、お宿もお客様も共に満足のいく旅行の実現への唯一の道だと知っているからです。他所のホテル旅館のサービスが良かったのなら、そのお宿に行けばいいだけですし、それを強要する権利は誰にもないのです。

また「同じようにしてくれたら行ってあげてもいいわよ」や「良いサービスだからあなたのホテルの為に言ってあげてるのよ」と続けてくるケースもありますが、自分勝手で恥ずかしい発言ですので控えた方が良いでしょう。

「社長(女将・支配人)と知り合いなの」

お宿の偉い人を知っているからと言う理由で、何か追加のサービスを期待する場合に使われる言葉ですが、これも逆効果です。

まず知っておかなければならないのは、関係性が深い間柄であれば、社長や女将など個人に直接連絡してくるということです。つまり、関係性が浅い人ほど、お宿に連絡をしてきてこのような発言をしているということなのです。また、また良好な関係性であればあるほど、相手の経営する宿にサービスの強要など出来ないのが普通です。私の場合は、私の知人だと言って予約をして暗にサービスを強要してきた方がいたと報告を受けたら、予約自体もお断りさせていただきますし、関係性も解消させてもらっています。

スタッフ側の目線で見るとどうでしょう。経営者や上司の知人ほど面倒なお客様はいません。必要以上に気を使わなくてはならないですし、逆に普通通りのパフォーマンスが出来なくなってしまうことも少なくありません。この言葉を使う使わないの前に、知人が経営者や管理職のお宿は選ばないという選択の方が賢明なのかも知れません。

まとめ

今回は言ってはいけない代表的な言葉について解説させていただきましたが、同様の言葉も多く存在しています。基本的にはいずれも「自分さえ良ければ」的な発想の上にある言葉だということはお分かりになられたと思います。良いサービスを期待するのであれば、サービスをしてただく相手の気持ちに立った言動をすることで、相手も気持ちよくサービスを行なうことが出来るようになり、結果的に満足度の高い宿泊をすることが出来るでしょう。

お宿選びだけではなく、すべての消費行動には人柄が色濃く表れます。もし、どんなお宿に泊まっても満足がいかないという方がいらっしゃったのなら、相手の事を考えるのではなく、自分自身と向き合ってみる必要があるのかも知れません。

【失敗しない宿選び】意外と知らない宿の種類と選び方

旅行の満足度に一番大きな影響を与えるのが「お宿」です。どんなお宿に泊まるのかを選ぶこと、つまり「宿選び」は旅行の成功を左右する重要なポイントです。しかし、日本には多種多様なお宿の形態があり、その中から目的に合わせたお宿を選ぶのはなかなか難しいものです。そこで今回は、日本にはどんなお宿があり、そこがどんな旅の目的に適しているかをお伝えします。

宿の形態は大きく分けて6タイプ

宿泊施設の営業スタイルはさまざまですが、大きく分けて6つに大別されます。現在は宿泊者の多種多様なニーズに応えられるよう「ホテルのような旅館」のように、それぞれのエッセンスを併せ持ったハイブリッド型の施設も数多く出来てきました。ですので、個々の宿の詳細はWebサイトで確認される必要がありますが、それぞれの営業形態の傾向を掴んでおくことは、目的にあった宿選びにとってとても重要なポイントになりますので、しっかり確認しておくことをおすすめします。

ホテル

ホテルの中でも様々な営業形態がありますが、今回は「旅行」という側面で各ホテルの特徴を確認して行きましょう。レジャー系ホテルは比較的大きな施設となっており、多くの場合は各種レストランや喫茶店を備え、アロママッサージやエステなどを体験出来る所もあります。また、さらに大型の施設の場合はプールやフィットネスジムなども完備しており、ホテルの中で様々なことを楽しみたいという方におすすめです。

リゾートホテル

多くの場合は、高原や海沿いの行楽地に位置しています。周辺観光はもちろん、現地ならではの着地型アクティビティなども用意されていますので、お子様連れの旅行に最適です。

シティホテル

各都道府県庁所在地など街の中心部に建つホテルです。デラックスで豪華な造りが特徴で、ショッピングなど街の中心部を観光されたり、贅沢な宿泊体験をされたい場合に向いています。

ビジネスホテル

基本はビジネス利用ですが、ライブやイベントなど宿泊とは別に主たる目的がある場合にもおすすめです。チェックアウト時間が遅くなっても良いところも特徴です。

旅館

旅館の客室は床の間のついた和室で、館内は浴衣で過ごし、会席料理を食べる。そんなイメージを持っている方も多いと思いますが、現在の旅館は決してその限りではありません。ベッドの入ったお部屋は当たり前、様々なナイトウェアがあり、料理も和食から洋食まで様々。現在は、多くの旅館がお客様のニーズに合わせて、ハイブリッドな宿泊形態に変容しているのです。つまり、各宿泊施設の中で一番多様性に富んだ営業形態が「旅館」であり、その分より慎重な宿選びが求められます。

旅館選びのポイントは多岐に亘りますので、詳細は下記の記事をご確認いただければと思いますが、その多様性故に「宿選びに失敗した」と言う声を一番多く耳にするのが旅館です。たまの温泉旅行という事もあったりして、事前の期待値が高まり易いのも旅館利用の特徴ですので、しっかりポイントを掴んだ宿選びが必須です。

参考記事:【基本編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。失敗しない為の3つのステップ。

参考記事:【応用編】食事は?温泉は?客室は?賢いお宿(旅館・ホテル)の選び方。必ずチェックするべき5つのポイント

ペンション

温かな家庭的なおもてなしが特徴の小さな宿が多く、他とは違うオリジナルな空間や雰囲気を楽しむことが出来る宿泊形態です。ほとんどの場合は家族経営で、オーナー家族や他の宿泊者とダイニングなどの共有スペースで交流が楽しめるのもペンションの特徴です。また、ペンションの宿泊で見逃せないのが食事です。オーナー夫婦が腕によりをかけて作る自慢の手作り料理のレベルの高さには定評があります。実際に、宿泊予約サイトの口コミ評価の食事部門の上位には、客室数10室未満のペンションが名を連ねています。

ほとんどの場合、大浴場や温泉はありませんが、近隣の温泉入浴施設と提携されていてリーズナブルにその地域の温泉を楽しめるケースが多いです。また、価格がリーズナブルでコスパが高いのも魅力の1つです。また、アメニティの用意はありませんので持参が必要です。

民宿

田舎の実家で寛ぐようなアットホームな雰囲気が民宿の最大の魅力で、ほとんどの場合はペンションと同じく家族経営です。ペンションがリゾート系洋館とすれば、民宿は田舎系和館と言えます。漁業や林業で生計を立てながら、民宿を営んでいる方が多く、自らがとって来た山海の幸をその場で調理して食べさせてくれる為、料理も大きな魅力です。また、自らが獲ってきた物なので(原価がタダ)一般のレストランで食べたり、スーパーで買ったらいくらするのか恐ろしいような品質の食材の数々が、信じられないほど安価な宿泊料金で提供されるのも民宿ならではです。また、ペンション同様にアメニティは持参してください。

コテージ(貸し別荘)

友達グループや何家族か集まってワイワイ過ごしたい時に最適です。一棟まるごと貸し切れる為、周りのお客様に気兼ねする事無く賑やかに楽しむことが出来るのがコテージの最大の魅力です。宿の決められた時間に合わせる事無く自由な時間を過ごせるのも特徴です。食事は基本「自炊」ですので、みんなでバーベキューをしたり花火を楽しんだりするのも良いでしょう。料金形態は大体「一棟いくら」ですので、人数が集まれば集まるほどお得に宿泊可能です。

リゾートホテルの敷地内にコテージが点在しているような形態も多く、夏休みのお子様連れ旅行などでは、リゾートホテルとコテージの良いところを一緒にして楽しむ事が出来る場所も沢山あります。食材の調達先なども含めて、どんな立地にあるのか事前のリサーチを丁寧にされることをおすすめします。

民泊・ゲストハウス

皆さんも一度は聞いたことのある「民泊」は、本来はゲストハウスとは別の事ですが、あえて一緒にさせていただいました。それは今まで日本には無かった宿泊形態という意味で同じだからです。

何れも外国人旅行者の急増により急速に増えて来た宿泊形態で、より安価に、そり簡易的に宿泊出来るのが特徴です。基本的には、宿泊と言う行為に付加価値を求めず、語弊があるかも知れませんが「雨風をしのげて寝れれば良い」と言うスタンスの宿泊を希望される場合に最適です。しかし、快適性や利便性に欠けるという事では決してありませんし、旅館同様に今後の進化が楽しみな宿泊形態です。

まとめ

今回は宿泊施設を大別してみましたが、「宿泊」と言う行為の懐の深さを感じていただけたのではないでしょうか。これだけ多種多様な宿泊の選択肢があるということは、自身の旅の目的にあったお宿に出会える可能性が高いと言うことだと思います。

それぞれのお宿の特徴をしっかり理解して、旅の目的にあったお宿選びをしてください。

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